男性の51.9%が「相手の名字に合わせる」→なぜ94%の女性が改姓?
「もし結婚相手に『名字を変えたくない』と言われたら?」という問いに対して、『相手の名字に合わせて結婚する』と女性の7割以上が回答。男性も5割以上が自分が名字を変えると回答している。ただ現実は、名字を変えているのは女性が約94%。ほとんど女性が変えている現状となっている。
この結果に対し、ハーバード大学医学部准教授の内田舞氏は、時代の変化と男女の権利のバランスの偏りについて話す。
「アンケートで5割以上の男性が自分が姓を変えてもいいと答えている。それ自体は時代の変化を表しているものであり、変化は起きてるんだなという印象を受ける。興味深いのは、それにも関わらず、やっぱり現実は94対6となっていること。でも、法律で男性の姓を選ばなければならないなんてどこにも書いていないわけであって、本来どちらの姓を選んでもいい制度。男女の権利というものが日本の中で平等であったならば、男性の名字になる家族、女性の名字になる家族は半々になるはず。それが半々どころか日本は94対6なわけで、決まりもないのに無条件にそのような選択がされていくというのは、日本社会における無意識の男女の権利のバランスの偏りがいかに強いかを示しているなと思う」(内田舞氏)
名字を変えているのは9割超が女性という数字に対して、テレビ朝日政治部の大石真依子記者は…。
「知り合いの記者の中にも、どちらも自分の名字にすごく思い入れがあるから結婚を選ばなかったという方もいる。でも、籍を入れないことによる不便も絶対ある。(名字を変えた)94%の女性の中には、不便との天秤にかけて、やむを得ず変えてるという人もいると思うので、こういった声にもしっかりと政府には向き合ってほしい。旧氏の使用拡大、それはそれでいいが、それが選択的夫婦別姓の議論を閉ざすことにはならないように、その意識は持っていてほしいなと思う」
こうした中、SNSでは、高市総理が選択的夫婦別姓ではなく旧姓の単記を進めることに対し「それぞれの家族を尊重することにもつながる」「身分証明書の記載が戸籍と異なることになり、証明書の意味がなくなってしまうんじゃないか」など様々な声が上がっている。
これらの意見に対して内田氏は次のようにコメントした。
「(「旧姓の単記」案の中身が)まだ出ていない部分があまりにも多すぎるなと思うし、結局のところ、どこでも自分の氏名をそのまま使える制度ではないというのははっきりしている。確かに選択的夫婦別姓への一歩だと思いたいところだが、ではなぜその大きな一歩を踏めないんだろうというのが私の印象」(内田舞氏)
選択的夫婦別姓の議論をめぐる永田町の“現在地”について、大石記者は…。
「(「旧姓の単記」案を)一歩にしたいと思っている人も自民党内にはいるけれども、今の段階で一歩とはなかなか言いづらいかなとは思う。政府としては、その戸籍上の夫婦同姓を維持した上で、旧姓の通称使用を法制化するための法案を、今の国会に提出することを検討している。法案が取りまとまれば、与野党ともにすごく活発な議論になっていくと思う。今いろいろな指摘が出ているように、論点が多すぎるし見えない不透明な部分も多すぎる。まずは政府がどういった法案を準備するかが注目される」(大石真依子記者)
ではその法案の取りまとめにはどのくらいかかるのだろうか。大石記者は次のように解説する。
「もともと『この国会への法案の提出を検討中』とはなっているので、この国会をまずは目指している。政府高官も、出すと決めたわけでも、出すことを諦めたわけでもないと言っていたので、『検討中』というステータスが変わってない状況。ただ、国会の審議日程が限られている中で、他の法案との兼ね合いやいろいろな計算をした上で、出す出さないの判断がこれからされていくのだろうと思う」
(『わたしとニュース』より)
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