■飼い主が抱える後悔と葛藤

大山達也院長
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 ペットの最期をどう迎えるべきか。大山院長は「何が正しいか、答えがない状況だ。点滴すると楽になる猫も一定数いるが、病院に行くのが大変であれば、負担になる部分もあるだろう。そこは都度、家族と相談しながら決めることになる」と語る。

 文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、飼い犬の事故死を経験して、現在は7歳の保護犬を飼っているという。「『ペットの気持ちを分かっている』と思っている人は、擬人化しすぎで、単なる想像でしかない。『生きたいか、死にたいか』を判断する意識もなく、どれだけの痛みかもわからない」。

 人間の場合を例に出し、「日本人は90歳近くまで生きるが、その前の10年間は病気がちだ。その間に『病気がちでも生きよう』と思うか、『人生を終わらせよう』とするかには、本人の意思がある。人間は『友達と遊びたいから生きる』などで判断するが、犬は他の犬とのコミュニケーションを考えない。猫にとって『痛いか、痛くないか』が日常の判断基準なのだとすれば、そこを人間が勝手に推測するのは強引ではないか」とした。

 これに藤原院長は「動物は結局、今しか生きていない。『明日何しよう』はなく、『今楽しいか』で判断するため、1年先まで生きていたいという訳ではない。そこを飼い主がどう考えていくのかになる」と答える。

■辿り着いた「緩和ケア」の重要性
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