■ビジネスと人権…委託元が責任を持つ「公契約条例」
現実的には、自治体が直接雇用することが難しい場合もある。そうした場合でも、労働者の環境を最低限守ろうとするのが「公契約条例」だ。自治体が発注する公共事業や業務委託で、適正な労働条件等を受注者に求めるもので、昨今、導入する自治体が少しずつ増加している。
例えば千葉県野田市では、委託事業者が変更した場合、新たな事業者に前の事業者で働いていた人を継続雇用するよう求めているほか、職種ごとの最低賃金を規定して労働条件を急激に悪化させないような項目が設けられている。
実際に今年4月に委託事業者が変わった市の電話交換業務では、希望する人は全員が次の事業者に引き継がれたという。
ただし、こうした条例で定められた内容は、基本的には「努力義務」という扱いが多いのが現状だ。事業者にとってはコスト増につながるため、自由競争に反しているという観点から導入に反対の意見もあり、実際に見送られた例もある。
滝川氏はこれを受けて、次のように述べた。
「結果的に今何が起きているかが重要で、日本は非正規雇用の安い労働力に依存し続けた結果、経済がこれだけ低迷する期間が伸びてしまっている。だから、自由競争云々がではなく、そっちを先に手を打つべき状況なのではないか」
(『わたしとニュース』より)
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