なぜ法務省は「検察の不服申し立て」を絶対譲れないのか。元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「この議論はかみ合うはずがない」と指摘した上で、「検察は、犯人を捕まえて治安を維持して被害者を守るべき立場で言っている。非常救済である再審法は最後の砦として人権を守るもの。これは検察の役割ではない。(再審法の見直しを)調整するなら、(検察の)不服申し立てを1発にする。2発目は認めない。高裁まででやる。しかもそれまでの間の審議期間は制約するという考え方。再審法をイチから作り直そうという考え方は法務・検察にはない」と話した。
不服申し立ての維持を求める主な主張は「法的安定性」。最高裁の決定を下級裁判所が覆すことは、三審制度の否定にもつながり、法的安定性が失われるというものだ。
それに対し、レゾバティール法律事務所の阪口采香弁護士は、「刑事訴訟法自体も誤るということを前提に作られていて、それが機能していないから、どう改善していくかという議論なはず。法的安定性が崩れるから、そもそも“安定”が成り立っていないため、そこをちゃんと成り立たせようというところに争点がある。議論がかみ合っていないし、ぼやっとした言葉で逃げて、議論をかわそうとしているイメージだ」と語った。
結果的に、再審制度の見直しを盛り込んだ刑事訴訟法改正案の提出はまとまらず、異例の先送りとなった。
政府による再修正案は…
