「特効薬がない」致死率40〜50%の“ハンタウイルス”日本での流行リスクは?医師は「はしかの方が危ない」と警鐘

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感染者が増える可能性、募る危機感

 国の対応はさまざまだ。WHOのテドロス事務局長は5月12日の公式声明で「現時点では、より大規模な感染が始まっている兆候はない。ウイルスの長い潜伏期間を考えると、今後数週間で感染者がさらに増える可能性がある」と言及 。CDC米疾病対策センターのバタチャリヤ所長代理は「パニックを起こしたくない。人から人への感染は、まれだ」と話している。

 米保健福祉省は「帰国した米国人17人は、ネブラスカ州などの医療施設で臨床評価を受ける」と発表。しかしその後、集団感染が特定される前に帰国した乗客や、症状のある患者とフライトで同乗した人など、監視対象は41人に増えた。

 フランスでは、下船後、パリに向かうチャーター機内で1人が発症。フランス人の乗客5人を隔離すると発表した。フランスのリスト保健相は「重要なのは初期の段階で対応し、感染の連鎖を断ち切ること」と述べ、陽性と判定された乗客との接触者22人を特定し、健康状態の監視を続けている。

 では、日本はどうなのか。5月12日、検疫所はポスターを掲示するなどしてハンタウイルスの注意喚起を開始した。入国者で体調不良がある人には、ネズミとの接触を確認したうえで、医療機関の受診を勧める対応がされている。

 ホンディウス号で最初の死亡者が出てから1カ月以上経過してからの対応だ。木原稔官房長官は5月11日、「現時点において我が国に直ちに大きな影響が及ぶ状況にはない」とし、上野厚生労働大臣は5月12日、「関係各国にて感染拡大防止の対応がとられている。政府からの情報発信を注視するなど、冷静な対応をお願いしたい」と述べた。

「日本にハンタウイルスが生息する個体がいない。ただ、持ち運び込まれて日本で生息したらこれは危なくなる。本当の感染対策は中国がやっていたようなこと。ロックダウンして全く出られないようにする。でもそれをしたら社会経済が動かないので、ある程度の落としどころをつけると蔓延するのは仕方ない」(宮下医師)

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