「メガソーラー」と「自然」は共生できるのか…有害物質検出やずさんな生物調査が発覚、国策再エネ事業に脅かされる釧路湿原の希少生物

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■森林法違反と深まる住民との対立

日本エコロジーの建設予定地
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 釧路湿原周辺で相次いでいるメガソーラーの建設。希少な生き物が生息するすぐ近くでも新たな建設が始まった。

 湿原を歩く2羽のタンチョウ。すぐそばにはこの春生まれたばかりのひなの姿もある。別の日に近くで撮影された映像には、タンチョウの親子のすぐ後ろで重機を使った大規模な工事が行われている様子が映っていた。「いま工事の音が聞こえてますよね。日中ずっとですね、最近は」(齊藤さん)

 現場は齊藤さんが野鳥の治療をする環境省の野生生物保護センターから300メートルほどしか離れていない。

 齊藤さんは「たくさんの野生動物がいて、まさに繁殖期であって、なおかつ環境省の希少種を保護する施設が間近にあってシマフクロウまで飼っている。こういうところでこれだけ音がするような工事を堂々と日中ずっとやっているということは、どういう判断のもとで保全というのがされているかを本当に知りたい」と訴える。

 一方、日本エコロジーの大井営業部長は「騒音がそれだけ支障あるのなら、向こうも工事差し止めの手続きをするでしょ。ただプライドだけでしょ。灯台下暗しじゃないけれども、近いところでこんなことしやがってという感じなのではないか」と反論する。

 この場所でメガソーラーの建設を行う大阪の「日本エコロジー」は、4.2ヘクタールほどの土地に6600枚のパネルを設置しようとしている。

「キタサンショウウオに関しては再調査しました。タンチョウはもともと大丈夫だというお墨付きをもらっています。近くにいるというのと現地にいるのは違いますからね」(大井営業部長)

 日本エコロジーが釧路市のガイドラインに沿って行った希少生物の生息調査の結果が記された資料がある。タンチョウだけでなく絶滅危惧種のキタサンショウウオや猛禽類も建設現場には生息していないという内容だった。

 日本エコロジーは、この結果を釧路市と野生生物の保護を監督する市立博物館に提出し、工事に取り掛かった。

 齊藤さんは希少生物の置かれた現状を伝えるため、ドローンで撮影した映像をSNSに投稿。「土地をならしていますね。あとダンプで土砂を搬入したりというのもやっていましたね」(齊藤さん)

 投稿は大きな反響を呼び、多いもので1600万回以上閲覧された。

 事態は、その後急変する。道の調査で日本エコロジーの森林法違反が発覚したのだ。

「森林区域におきまして約0.8ヘクタールの開発行為が確認をされ、林地開発許可が必要な面積の0.5ヘクタールを超えていたため、本日工事の中止勧告を行いました」(道の担当者)

 太陽光発電施設の建設で0.5ヘクタールを超える森林を開発するには、都道府県知事の許可が必要だ。しかし、日本エコロジーは道に申請をしないまま、0.86ヘクタールの森林を伐採してしまっていたのだ。

「北海道の貴重な財産である森林が失われたことについて大変遺憾でございます。事業者が指導に従わない場合、中止命令を発出するなど厳正に対処をしてまいります」(北海道の鈴木直道知事)

 また、生物調査のずさんさも明らかになった。釧路市立博物館によると日本エコロジーが行ったタンチョウの調査は専門家への聞き取りのみで、現地での生息調査は行われていなかった。

 オジロワシについては、2月から9月の繁殖期に2年にわたる毎月3日間の調査が必要だと環境省のガイドラインで定められている。しかし、実際には繁殖期でない時期に3日間行われただけだったのだ。

 さらに、日本で繁殖する猛禽類のうち最も生息数が少ないチュウヒについては、調査すらしていなかった。

「希少種を主語にした法律を」自然との共生への道
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