■「希少種を主語にした法律を」自然との共生への道
去年9月初頭、自民党の国会議員らが建設予定地の視察に訪れた。説明を行ったのは、大阪の本社からやってきた日本エコロジーの松井政憲社長だ。
「今後におきましても、希少種、環境との調和というのを弊社としても行っていきますし、その中での指導というのは賜っていきます」(松井社長)
松井社長は、違法に伐採した部分については植樹をすると説明。希少生物の生息調査が不十分だという指摘については、「市などと協議し再調査を進めていく」としているが、建設の届け出が釧路市に受理されていることを理由に工事は続行する方針だ。
「我々も受理、ゴーサインが出た中で投資、事業開始というのを行っているわけですよね。その中で、立ち止まることもできない。投資額もかなりの投資をしていますので。どのようにすれば調和を取っていけるのかという協議を早急に行って、それに準じて工事を始めていきたい」(松井社長)
釧路市議会では太陽光発電施設の建設を許可制とする条例案が可決された。ただ、条例が適用されるのは来年以降に建設が始まる施設のため、すでに稼働しているものや建設中の施設には適用されない。
「国の法律での裏付けがなければ、なかなか我々の条例だけでは難しいところもございます。そこで生きる希少生物、自然を含めた我々の誇りを守りたい」(鶴間市長)
鶴間市長は東京を訪れ、法改正の必要性を環境大臣に自ら訴えた。「これから法整備のほうもよろしくお願いいたします」(鶴間市長)
環境に優しいエネルギーによって脅かされる自然。齊藤さんは、いまある環境の保全を第一に考えるべきだと話す。
「健全な生息環境というのは彼らの住環境ですよね。そこをしっかりとリスペクトしながら、人間も人間らしい生活を、ここは間違いない。太陽光というのを主語ではなくて、希少種というものを主語にした法律を変えていかなければ、この問題は釧路、北海道だけではなくて全国に広がってしまう」(齊藤さん)
釧路市との協議が続く中、日本エコロジーは「希少生物の調査について市の審査体制に問題がある」と主張し、去年12月末、工事を強行に再開した。建設地のうち1カ所では、絶滅危惧種のキタサンショウウオが生息していたことも判明している。
今年3月11日、鶴居村は村議会で、メガソーラーの建設予定地の購入費用などおよそ8300万円が盛り込まれた今年度の補正予算案を全会一致で可決した。
村が景観保護のため土地の購入を申し出たところ、当初、日本エコロジーは将来見込まれる利益などを含む1億5000万円を提示。その後の交渉で土地代400万円と日本エコロジーが森林伐採にかけた経費などの補償として7600万円のあわせて8000万円に減額された。
購入費用には全国からクラウドファンディングで寄せられた約8800万円があてられ、建設予定地周辺の16.8ヘクタールの土地も景観保護のために購入する予定だ。
(北海道テレビ放送制作 テレメンタリー『落日のメガソーラー 問われる自然との共生』より)
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