■栽培適地の北上と激しさを増す産地間競争
この気温上昇によって、栽培に適した場所が北上しつつある。例えば、九州・四国などが適地の温州みかんは、将来的に東北地域の一部で栽培できるという予測がある。
さくらんぼの栽培適地はいま、どこに…。北海道のさくらんぼの主要産地、仁木町(にきちょう)。山形が不作に終わった1カ月ほど後、収穫の最盛期を迎えていた。
北海道・峠のふもと紅果園の寒河江仁さんは「夜間気温が山形は北海道より高い。昼夜の気温差がないと赤く色がつかない。北海道はまだ色がつきやすい。北海道産のさくらんぼは、まだまだこれから伸びしろがある」と話す。
近年、北海道のさくらんぼは国産全体の1割を占め、その差は大きいものの、山形に次ぐ第2の産地に位置付けられている。2024年は、山形の不作の影響で市場からの引き合いが高まり、仁木町のさくらんぼは平年の1.2倍ほどに高騰した。
青森県が売り出しているのは、大玉品種「ジュノハート」。高級品を目指す独自の販売戦略により、市場では高値で取引されている。激しさを増す産地間競争。さくらんぼ王国は今、その底力を試されている。
「正直、今後も山形の天候の中でさくらんぼをつくっていくということであれば、天候に抗うようにしていかないといけない」(駿さん)
しかし、2025年。さくらんぼ屋たちはさらに難しいシーズンを迎える。
霜被害と受粉への奮闘、自然との闘い
