無料通信アプリ「LINE」がAI開発などを委託した中国の関連会社で、中国人技術者が利用者の個人情報にアクセスできる状態にしていたことがわかり、波紋を呼んでいる。今日午後7時半より、出沢剛社長が東京都内で記者会見する。
【映像】会見前にポイントをおさらい! 専門家が指摘する「個人情報保護法違反」の可能性
委託先の会社の中国人技術者らは2018年8月以降から、日本のサーバーにある利用者の氏名や電話番号などの個人情報、またLINE上の会話履歴などにアクセスできる状態だった。親会社のZホールディングスによると、これまでに少なくとも4人の技術者が32回、これらの個人情報にアクセスしたが、現時点で情報の悪用は確認されていないという。
このニュースにSNS上では「個人情報は全てLINEが利用していいという規約は知らなかった。サービスを海外で開発しているというのも知らなかった」と初めて知った人の声や、「最初からある程度疑っていた」「もう何もかも中国に流れていると思ったほうがいい」と情報漏洩を気にする声が相次いでいる。
Zホールディングスは「同意を得たうえでデータを第3国に移転するとお伝えはしていたものの、具体的な国を示しておらず、説明が不十分だったと認識している」とコメントを発表。既に閲覧できないように対策済みだという。
慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は「LINEは公共性が求められる社会インフラになりつつある」と語る。
「携帯電話やスマートフォンの普及に伴って、僕たちはさまざまなネットの新しいサービスを使ってきた。無料サービスだと急に使えなくなっても文句が言えない風潮もあるが、LINEは従来の一家に一台固定電話があったような、“公共性”が高いインフラになりつつある。従来のようなお金の払い方やサービスの使い方とは違っても、日本を支える生活基盤になりつつある」(以下、若新雄純氏)
3月1日にPayPay、 ヤフー、 ZOZOを子会社として率いるZホールディングスと経営統合したばかりのLINE。4日にはヤフーとLINEが、防災面で連携して取り組み、新たな共同企画の開始を発表した。
「僕が育った山奥では、嵐の日に電話線が切れると、休みの日の夜中でもわざわざ業者さんが来てくれた。それは、公共のインフラを支える人への信頼があったから。地下鉄や電車も利用料金がそんなに高くなくても、遅れたら『遅延証明書』を出してくれる。僕たちは公共サービスに対して、信頼もするし、期待もする。それに応えてくれる関係ができて初めて、本当の意味で生活の基盤になるのではないか。LINEというサービスは、今が過渡期。従来の(公共サービスの)ように、本当に僕らが信頼してずっと使い続けていいものになるかどうか。ちょうど境目なのだろう」
2012年10月には、首相官邸公式アカウントが開設され、行政機関が初のLINE公式アカウントを導入。今後も政府や自治体と連携し、マイナンバー関連などの公共データを扱う企業を目指すであれば、個人情報の取り扱いは見直す必要がありそうだ。
「サービスへの『しっかりしてくれよ』という批判の声はもちろん真っ当だが、お互いに信頼し合うことで成立するような、安心して使える社会サービスになってほしい」
今回のトラブルに関して、LINEの出沢剛社長は23日午後7時半から東京都内で記者会見を行う。個人情報保護委員会への報告や、今後のデータ管理の方針に注目が集まっている。
この記事の画像一覧



