日本代表のファンの行動に、ブラジル人記者も感銘を受けたようだ。
【写真】ブラジル人記者も驚いた日本のコロナ対策の徹底ぶり
6日、キリンチャレンジカップ2022で日本代表はブラジル代表を迎えた。
新たに改修された国立競技場での日本代表の初陣。ブラジルは日韓ワールドカップ以来20年ぶりの来日ということもあり、大きな注目を集める試合となった。
日韓ワールドカップから20周年のセレモニーがあったため、当時の指揮官であるフィリップ・トルシエ監督や中田英寿氏、宮本恒靖氏、小野伸二ら豪華な面々もスタンドから見守り、また多くのブラジル人Jリーガーもスタンドに駆けつけていた。
スタンドに集まった観客は6万3638人。新国立競技場になってから最多の動員となったことも、注目の高さが窺える。
「声出し応援」は禁止されている中、試合の熱狂もあったのか随所で声が発せられ、興奮冷めやらない一部のサポーターは声出しをしたことで、試合中に何度も注意喚起がアナウンスされていた。
日本ではルールを守れないことへの批判が相次ぎ、Jリーグを含めて積み上げてきたものが台無しになるという危機を訴える人もいた中、ブラジル人記者のブルーノ・カスクッチ氏は日本に対して違う印象を持ったようだ。
ブラジル『グローボ』に寄稿しているカスクッチ記者は「ブラジル代表との親善試合で日本のファンの沈黙が注目集めた」としながら、「これは“SAMURAI BLUE”への関心や支持の欠如ではない。COVID-19の蔓延を防ぐための、対策への敬意からだ」と綴った。
前述の通り、日本では声出しの応援はまだ認められていない状況。異国の地に来たカスクッチ記者は日本の対策に感心したようで、「スタジアム内では叫び声や口笛は禁止されている。このルールは至る所にポスターで掲示され、ポルトガル語でも大きなビジョンで注意喚起された」と報告している。
時折声が出ている場面では注意喚起のアナウンスが流れたが、「拍手や太鼓の音、旗が振られていたが、沈黙への呼びかけは尊重されていた」とし、「後半には歌い出される珍しい光景があったが、画面に沈黙を求めるメッセージが表示されるとすぐにボリュームは下がった」とし、注意されてすぐに対応することにも感心したようだ。
レポートではスタジアム内でのポスターなどが報告されたが、カスクッチ記者は最後に一言。「人口は約1億2500万人。日本ではCOVID-19による死者が3万700人。感染者は890万人だ」と日本の感染状況を報告。2億1200万人の人口を誇るブラジルでは、死者が66万7000人、感染者が3110万人と大きな影響を受けているが、母国との大きな差を痛感したのかもしれない。
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