守備が機能すればW杯制覇も狙える

ロビン・ファン・ペルシーやウェズレイ・スナイデル、アリエン・ロッベンがいた頃に比べると、オランダ代表の攻撃力は地味に映るかもしれない。

しかし、ルイ・ファン・ハール率いる現オランダ代表は守備こそ最大のストロングポイントと言っていい。センターバックの面子に関しては世界トップクラスなのだ。

大黒柱は、現世界最高のセンターバックとも言われるリヴァプールのフィルジル・ファン・ダイクだ。3バックを選択するなら、ファン・ダイクの脇はインテルのステファン・デ・フライ、ユヴェントスのマタイス・デ・リフトが有力候補だ。どちらもセリエAでトップクラスのDFと評価されており、この3人だけでも十分すぎるほど豪華だ。

それに加え、今月3日に行われたベルギー代表とのネーションズリーグではマンチェスター・シティのネイサン・アケとアヤックスのユリエン・ティンバーがファン・ダイクとともに先発。

アケはマンCで出番が限られているが、プレミアリーグでの経験も豊富なレフティーDFだ。一方のティンバーはアヤックスのアカデミーから出てきた20歳の有望株で、ビッグクラブからの関心も伝えられる。182cmと小柄な方ではあるが、今季もアヤックスではセンターバックと右サイドバックの両方を務める絶対的主力だった。

また今回は招集されていないが、フランスのリールで注目を集める22歳のスフェン・ボットマンもU-21オランダ代表の経験を持つ実力派センターバックだ。もうA代表でプレイするレベルにはあるはずで、今年のワールドカップに招集されても不思議はない。

オランダ『Voetbalzone』も最終ラインの組み合わせが豊富にある部分に注目しているが、これだけセンターバックの層が厚い代表チームも珍しい。4年前のワールドカップ王者フランス代表も優秀なセンターバックを多く揃えるが、ファン・ダイクの存在を考えれば今のオランダが世界最高のセンターバック軍団と言っても大袈裟ではない。

そこにワールドカップでの経験も豊富な名将ファン・ハールがアイディアを加えれば、今年のワールドカップで頂点を狙うことも不可能ではないはず。このセンターバック陣を攻略するのは簡単ではないだろう。