本大会までは約5カ月しかない

6月の4試合のテストゲームを終えた日本代表。3戦目までは2勝1敗とまずまずな成績を残していたが、4戦目の対チュニジアは0-3と大敗を喫してしまった。守備は自陣でのミスが続いており改善は見込めるが、攻撃はブラジル戦に続いて再び枠内シュートがゼロと沈黙してしまった。

攻撃力低下の要因としては工夫のない攻撃が続いたことだ。単調なサイドからのクロスが多く、後半は途中からピッチに立った三笘薫に任せきりの状態であり、打開策が見えなかった。だが、この課題はアジア最終予選から続いており、残り5カ月で解決するかは怪しいところだ。そのため人の質で解決する必要がある。

サイドからの単調なクロスが続くのは中央を使った攻撃が少ないからだ。前線でボールを収められる選手がおらず、ゴール前にボールが運べない。そのためクロスが最大の武器になってしまっている。浅野拓磨、上田綺世、古橋亨梧、前田大然ではためが作れず、前線でキープできる、時間が作れる選手が欲しい。

適任なのは鹿島アントラーズの鈴木優磨だ。敵陣でフリーなポジションを見つけてボールを受けるのが上手く、味方をサポートすることに長けている。守備でも走れる選手であり、現代的なCFだ。今季の鹿島では6ゴールを決めており、得点力も問題ない。また、気持ちの強い選手であり、今の代表に少ないファイターとしてチームをけん引することも期待できる。原口元気のようなボックス内に侵入できる中盤もおり、相性はいいはずだ。

問題はこれまで代表経験がなく、前述した4人のFWと比べ積み上げがない。だが、積み上げがある彼らでも今の代表で輝くことはできておらず、代表での経験の重要度は分からない。鈴木は国内組であり、7月のE-1選手権で呼ばれる可能性がある。SNS上では「E-1で呼んでほしい」「鈴木優磨にチャンスを与えてほしい」との意見が多く見られており、そこで存在感を示せば9月の海外組含めた代表戦でチャンスを与えられることになるだろう。