期待したい移籍だ

11月にワールドカップ・カタール大会を戦う日本代表はグループステージでドイツ、コスタリカ、スペインと戦うことになる。この中の上位2カ国に入らなければ決勝トーナメントへ進むことはできない。

そんな過酷な一戦を前に多くのサムライがこの夏の移籍市場で新天地を求めることになる。まずは10番を背負う南野拓実だ。リヴァプールに所属していたアタッカーは約2年半在籍していたクラブを離れ、リーグ・アンのモナコへ向かった。リヴァプールと同じくリーグを代表する強豪だが、格でいえば一つ下になるだろう。ライバルはウィサム・ベン・イェデルら曲者揃いだが、モナコで継続したプレイタイムを獲得し、パフォーマンスを向上させた状態で森保ジャパンに合流してもらいたい。

次に守田英正がポルトガルの強豪スポルティングCPへ移籍した。昨季リーグ2位で終えたクラブで、来季はCLにグループステージから参加することになる。[3-4-3]を採用するチームのダブルボランチで起用される可能性が高く、攻守両面でクオリティを求められることになるだろう。よりレベルの高いチームに身を置くことになり、成長が期待できる移籍だ。

3人目は板倉滉だ。マンチェスター・シティに所属していた選手で、昨季はローンでシャルケに加わり1部昇格に大きく貢献している。センターバックだけでなく中盤でもプレイできるユーティリティ性を持っており、今夏の移籍市場では争奪戦が勃発し、最終的にボルシアMG行きが決まった。どうやらクラブではセンターバックではなく守備的MFとして高く評価されているようで、来季のポジションが楽しみだ。

南野はステップダウンという言い方になってしまうが、継続したプレイタイムを得られれば日本代表としては大きい。守田、板倉はステップアップであり、より成長しチームを支えることになるか。W杯前の移籍はリスクを伴うが、前述した3人の移籍はポジティブな要素が強い。とくに南野はプレイタイムの増加が予想されパワーアップしたパフォーマンスを代表で見せられる可能性が高く、モナコでの活躍が楽しみだ。