日本代表のW杯連続出場が途絶えてしまうかもしれない…窮地に立たされた予選でチームを奮い立たせたキャプテン・吉田麻也。ロッカールームで発した彼の言葉に“やべっち”こと矢部浩之氏が深く感動する一幕があった。
吉田が初めてキャプテンマークを巻いて臨んだ、カタールW杯・アジア最終予選は苦難の連続だった。3試合を終えて1勝2敗。上位2チームがストレートに出場権を得られるなかで日本は3位に沈み、多くのメディアが“崖っぷち”と報道していた。迎えた第4戦は、ホームで臨むオーストラリア戦。勝たなければ絶望的な状況に追い込まれるなか、チームに光を灯したのが、試合前に仲間に告げた吉田の言葉だった。
8月14日(日)に放送されたW杯に向けた特別番組『FIFA ワールドカップ64〜やべっち×吉田麻也SP対談!〜』で、吉田から直接当時のエピソードを聞き出した矢部氏が感銘を受ける場面があった。
吉田がロッカーで仲間に伝えた言葉はこうだ。
「俺が小学校の時、ワールドカップに日本が初めて出て、2002年、日韓ワールドカップを初めて見て、自分も日本代表に入ってワールドカップに行きたいと思うようになったから、俺たちも子どもたちにそういう夢を与えないといけないぞ。その責任があるからな。先輩たちが繋いできたものをしっかり繋いでいこう。よし行こう!」
選手たちは奮起し、1-1で迎えた81分、浅野拓磨のシュートがオウンゴールを誘って劇的な勝利を飾る。吉田も、試合を見守った矢部氏も「みんなの気持ちがボールに乗ったゴールだった」と振り返る。日本はその後の戦いを経て、7大会連続W杯出場を決めた。
日本代表の試合は、キャプテンがロッカールームで最後にチームメートに言葉をかけてからピッチへと向かう。
「最後、もう一個みんなを押し上げられる言葉をかけられたらいいと思っていて、何が一番いいか考えた時に『W杯に出ないといけない』ということだった。正直、そのプレッシャーに僕自身が押しつぶされそうになっていたから」
重圧と戦いながらも、味方を鼓舞する。それこそが日本代表キャプテンが見せる、真のリーダーとしての振る舞いである。吉田が、「前日に考えながら寝るのが大変」と明かすと、矢部氏も「宿題みたいやもんな」と話し、吉田も「発表会があるみたい」と笑いを誘った。
吉田はさらに、自身の相談相手として、川島永嗣と長友佑都の存在を挙げる。「川島選手がいることで引き締まり、長友選手がいることで活力が湧いてくる」と、チームに不可欠な選手であることを強調。ここでしか明かせない、日本代表秘話を口にしていた。
吉田がけん引する日本は3カ月後の11月、いよいよW杯本番へと臨む。
(ABEMA『FIFA ワールドカップ64〜やべっち×吉田麻也SP対談!〜』)