この活躍があっても招集歴がない
22-23シーズンのプレミアリーグ開幕から未だ負けなしのニューカッスル。1勝3分と勝ちきれない点も目立つが、その一つはプレミア王者であるマンチェスター・シティと打ち合った3-3のゲームである。
攻撃の中心は間違いなく、アラン・サン・マクシマンだ。フランスのサンテティエンヌでキャリアをスタートさせたドリブラーで、昨季のプレミアドリブル成功数は150回となっており、2番目の好成績を残したドワイト・マクニールの90回を大きく上回る。
そのサン・マクシマンは22-23シーズンも絶好調だ。開幕戦から4試合連続での先発であり、シティ戦では2アシスト、1-1と引き分けた直近のウルブズ戦では1ゴールを決めている。その得点は90分の試合終了間際のものであり、しかもボックス外からの高精度ミドルシュートだ。安定したセービングに定評のあるウルブズの守護神ジョゼ・サーですら一歩も動けずに見送っており、完璧なコースに先制点を沈めている。
そんなプレミアを代表するドリブラーだが、フランスのフル代表に選ばれたことがない。ポジションを争うライバルがキリアン・ムバッペやキングスレイ・コマン、ムサ・ディアビ、クリストファー・エンクンクと曲者だらけであり、仕方ない部分もあるのかもしれないが、今季のサン・マクシマンは前述したアタッカーと張り合えるだけの能力は備えている。
チャンスがあるとすれば9月のネーションズリーグだ。9月23日にオーストリア戦、26日にデンマーク戦を控えている。今季の活躍度合いであれば選出の候補にいるのは間違いなく、ワールドカップ・カタール大会行きもあるだろう。
サン・マクシマンのような1回のプレイで、存在感を見せられる秘密兵器はカタール大会を制する中で必要な武器となるだろう。シティと対戦した際はカイル・ウォーカーですらサン・マクシマンを止めることに苦労しており、であれば今ニューカッスルFWを完封できるDFは存在しないといっても過言ではない。
ドリブルで突破するだけでなく味方を使った攻撃やシュートの精度向上が見られる今季のサン・マクシマン。まだ25歳の選手であり、ここからどのような選手に成長するのだろうか(データは『SofaScore』より)。