タレント的にはW杯優勝候補の1つ
タレント力だけで判断するなら、今のポルトガル代表は今年のワールドカップ・カタール大会の優勝候補と言っていい。最終ラインから前線まで、1つのポジションに2人は実力者を揃えているのだ。
GKはベテランのルイ・パトリシオ、ウォルバーハンプトンのジョゼ・サで問題ない。どちらも派手さはないが、シュートストップの部分は信頼できる。
センターバックはマンチェスター・シティのルベン・ディアス、ベテランのペペ、リールDFジョゼ・フォンテの3枚でバランスが取れる。自国のスポルティングCPで評価を上げる21歳のゴンサロ・イナシオも候補だ。
サイドバックも右にマンCのジョアン・カンセロ、マンチェスター・ユナイテッドで出番を得るジオゴ・ダロト、左にはドルトムントのラファエル・ゲレイロとパリ・サンジェルマン1番手のヌーノ・メンデスがいる。
中盤はウォルバーハンプトンのルベン・ネベス&ジョアン・モウチーニョ、経験豊富なウィリアム・カルバーリョ、攻撃的な役割ではベルナルド・シウバ、ブルーノ・フェルナンデス、今夏パリ・サンジェルマンにステップアップしたヴィティーニャ、同じくパリへ加入したレナト・サンチェス、ウォルバーハンプトンへ移籍したマテウス・ヌネスら実力者が揃う。
そして前線はミランのエースになったラファエル・レオン、リヴァプールで覚醒したディオゴ・ジョタ、代表では決定的な働きも見せるオタビオ、ウォルバーハンプトンへ移籍したゴンサロ・ゲデスらがワイドな位置に入り、センターにはクリスティアーノ・ロナウド、アトレティコ・マドリードの貴公子ジョアン・フェリックス、ライプツィヒのアンドレ・シウバもいる。
ロナウドに関しては所属するマンチェスター・ユナイテッドで状態を上げることが求められるが、ここぞの場面での勝負強さは健在だ。今年のワールドカップに対する思いは相当なものがあるはず。
ただ、SNS上では代表監督に関して疑問の声が浮上している。
ポルトガル代表を指揮するのはフェルナンド・サントスで、2014年の就任からかれこれ8年の時が経った。EURO2016を制するなど一定の成績は残しているのだが、やや受け身なフットボールとの意見もある。
「このチームは選手より良い監督を必要としている」
「単に受け身のサッカーをするのではなく、選手の才能を最大限発揮できる人が必要。ネームバリューでは最も才能あるポルトガル代表チームで間違いない」
「サントスでは勝利するところが見られない」
SNSではこうした意見が出ており、長期政権を築く割りにサントスの評価はあまり高くない。ポルトガルのサッカー史を振り返っても今以上にタレントが揃っていた時期は無いと言ってもいいだけに、それこそポルトガル人監督ではジョゼ・モウリーニョのような人物が指揮するところも見てみたい。
果たしてサントスはカタールの地で選手たちのベストを最大限引き出せるだろうか。タレント力は間違いないだけに、受け身なフットボールではサポーターも納得しないだろう。