いい腕試しになるだろう

日本サッカー協会から11月17日にカナダ代表との親善試合が決まったと発表があった。会場はアラブ首長国連邦のアルマクトゥームスタジアムで、キックオフ時間は調整中とのこと。

ワールドカップ・カタール大会本戦まではアメリカ戦、エクアドル戦と2試合のテストゲームしか予定されていなかったが、これで3試合となった。今年は例年よりも開催が早くなっており、その分準備する時間も短かったため、このカナダ戦はありがたい。

8月に発表されたFIFAランキングでは43位のカナダ。北中米カリブ海予選ではメキシコ、アメリカ、コスタリカを抑え首位でW杯の切符を掴んでいる。W杯本戦出場は1986年以来のことであり、カナダ代表は急成長を遂げカタール行きを達成した。

タレントでいえばバイエルン・ミュンヘンのDFアルフォンソ・デイヴィスが最も有名か。21歳と若い選手だが、ドイツの絶対王者バイエルンの左サイドバックとしてポジションを掴んでいる。攻撃力が魅力の選手であり、19-20シーズンには3ゴール5アシストと計8得点に関与した。

積極的にオーバーラップする分、後ろのポジションは空けてしまいがちだが、ブンデス屈指の脚力を生かし戻ってくる。堂安律、原口元気、鎌田大地らドイツでのプレイ経験がある彼らはデイヴィスの恐ろしさを知っているはずだ。カナダ代表では左SBではなくより前目のポジションで起用されており、彼の攻撃力を最大限生かした配置となっている。

前線にはこちらもスピードを武器とする韋駄天FWジョナサン・デイヴィッドがいる。リーグ・アンのリールでプレイする22歳で、今夏の移籍市場では多くのビッグクラブが彼に関心を示した。今季は開幕から好調を維持しており、6試合で4ゴール2アシスト。チームの得点源としてリールを支える。

注意すべきはカウンターであり、W杯予選ではアメリカやメキシコに勝利しているが、どれもボール支配率50%を下回っている。それでも数少ない好機を決めており、その場面ではデイヴィスやデイヴィッドのスピードを生かしたカウンターが武器となる。

彼ら以外にもカナダ代表はタレントが多く、MFタジョン・ブキャナン(23)や同代表で最多ゴール数(24点)を誇るFWサイル・ラリン(27)と曲者揃いだ。ラリンはPKキッカーも任されており、ベシクタシュ時代は1シーズンで19ゴール5アシストの数字を残したストライカーである。日本代表とは2001年と2013年に対戦しており、サムライブルーが勝利を飾っているが、当時とは全く違うチームになっている。

同格とされるチームへの勝ち方を見る限り、カナダ代表は仮想コスタリカと考えていいだろう。前述したアメリカやメキシコのような本戦に出場する相手には主導権を握られながらも勝ちを掴んでいる。タレントでいえばコスタリカよりも攻撃陣にビッグネームがおり、サムライブルーの守備陣を脅かすことになるだろう。