21日、日本代表が『キリンチャレンジカップ2022』のアメリカ代表戦(23日)、エクアドル代表戦(27日)に向け、試合を行うドイツのデュッセルドルフで3日目の練習を行った。

 冒頭15分のみのメディア公開となった練習の後、取材に応じた主将のDF吉田麻也(シャルケ)は、「必ずやらなければいけないことは、代表戦なので目の前の相手に全力で勝つことにトライすること。でも、難しいのは準備期間がない中で、この2試合がある意味(W杯前)最終段階になるので、目の前の相手と戦いながら、本大会を想定して、いろいろなシチュエーションや相手の攻略をしないといけない。しかも、その相手はW杯に出るチームなので、簡単には勝たせてくれないだろうし、というのはこの2試合の難しいところになると思います」と、連戦への臨み方に言及。

 変則スケジュールでのW杯となるので、今回の2試合が本大会メンバー選考前最後の試合となる。「選考、アピールは毎合宿、毎試合変わらないので、今回だけアピールすればいいのではなく、今までの積み重ねでここに選ばれている選手たちですし、やるべきことは変わらないと思います。その中でのプライオリティとして、チームのブラッシュアップの部分だと思うので、そこにフォーカスして。個々のアピールはどの選手も同じだと思うので、そこはあまり意識していないです。チームとしてやること、アメリカに対してどう戦う、その中でドイツとの戦い方も意識しましょうということを話し合って、いくつピッチで出せるかだと思います」と続けた。

 この2試合は結果を求めつつ、本大会を想定したチームとしてのトライの場にもなる。「自分たちのアイデア、サッカー観、戦い方を合致させておく必要がある」と話す吉田は、大会が始まってから何かが起きたことに対処するのでは間に合わないとし、リードの場面、ビハインドの場面、初戦の結果を受けての2、3戦目の戦い方の状況などにおいて共通認識を持つ必要性を強調し、「過去の2試合やアジアカップを見ても、そういうことは十分起こり得ると僕自身は把握しています。前の選手、後ろの選手の相違が多少なり出てくるのはどのチームもあることなので、しっかり擦り合わせてみんなが同じ方向に向いていけるようにすることを、僕や経験のある選手がするべきことだと思うので、いいバランスを取っていきたいと思います」と話し、チュニジア戦などで生まれた前線と守備陣の意識のズレを調整する話し合いをすでに行ったことも明かした。

 主将としてチームを引っ張る存在でもあるが、「こういうポジションは非常に難しくて。大会が大きくなると、広い視野で見がちになる。そうなると多々あるのが、自分の足元が疎かになる。代表でキャプテンをやってきて、その前も含め、周りを見過ぎて自分の足元が…というのが何度もあるので、今回そこを気を引き締めてやらないといけないということは重々理解している」「代表の(先発)11人の枠、そしてキャプテンとしての立場に値すると思われるパフォーマンスをしたいと、いつも思っています」と、個人のパフォーマンスとしてまずW杯に出場する日本代表に足るものを見せる覚悟についてもコメントしている。