日本代表が出場するカタール・ワールドカップが、2か月後に迫っている。現在はドイツへと遠征しているサムライ・ブルーで、久保建英が見せた素の表情が話題になっている。

 これまでと違い、11月に開幕するワールドカップは、準備も今までとは違う。事前キャンプの時期は短く、日本代表にとってこのドイツ遠征が本番をにらんでの最後の調整となる。

 本大会に向けて、メンバーはほぼ固まっていると考えていいだろう。その中で奮闘が期待されるのが、最年少の21歳、久保建英だ。

 レアル・マドリードでの成功はならなかったが、今季移籍したレアル・ソシエダではゴールも奪うなど活躍している。フジテレビのサッカー関連のツイッター公式アカウントで投稿されているインタビューでは、今季の充実ぶりを自ら分析している。

「昨シーズンと違うというか、地続きだと僕は思っていますし、その中でチームを変えたのが一番大きかったんじゃないですかね。僕のレベルが格段に上がったというわけじゃないんですけど、僕のやりやすいサッカーで、僕の特徴が出やすいのかなと思います」

 日本からの見方に違和感を指摘しつつも、現地では満足感を感じているようだ。

「現地の人からしたら、僕はピースのひとりでしかないので。どうしても日本の報道だと僕が主役のようになりますけど、良い意味で現地の人にピースのひとりとして対等に認められているというのが、すごくうれしい」

 そして、ワールドカップの本大会では「本拠地」であるスペインの代表チームと対戦する。

「練習試合でU-23の時に引き分けて満足して、本番で負けてと、大事なところで負けてしまっているので、そういったリベンジの意味も含めて、そこ(ワールドカップでの対戦)のピッチに立てたらいいかなと思います」

 久保の口調は冷静で、内容も理路整然としている。日本代表では最年少ながら、10代の頃から年齢以上に大人びた物事の考え方や、話し方をする選手だった。これらのインタビューでも、その印象は変わらない。

■「言い方優し!可愛いかっこいい」

 だが久保は、ドイツ遠征で違う表情も見せている。現地でデュッセルドルフ日本人学校、デュッセルドルフ日本語補習校に通う子どもたちと日本代表の「青空サイン会」が行われ、選手たちが出席。そこで久保は、普段の「仕事モード」ではなく、子どもたちに優しく接する「お兄さん」の顔を見せているのだ。

 サッカーボールにサインしてあげた子どもに、さらに写真を撮りたいと頼む少年。自身にスマートフォンを向ける子どもに対して、「オレひとりでいいの? 一緒に撮らなくて大丈夫?」と、語り掛けるのだ。その気づかいと声のトーンにSNS上で公開された動画には称賛のコメントが並ぶ。

「メッチャ優しい」
「小さい子に優しい姿ホントにかっこいい」
「ちゃんとお兄さんしてる」
「優しくて声高くて可愛いな」
「言い方優し!可愛いかっこいい」

 このひと時は、久保にとってもリラックスできる時間となったことだろう。まずは23日のアメリカ代表戦で、子どもたちにさらなる笑顔を届ける活躍を期待したい。