22日、日本代表が翌日に行われる『キリンチャレンジカップ2022』のアメリカ代表戦に向け、試合を行うドイツのドイツのデュッセルドルフ・アレーナで前日練習を実施。練習後、FW前田大然(セルティック/スコットランド)が取材に応じた。

 2021シーズンに横浜F・マリノスで23ゴールを挙げて明治安田生命J1リーグの得点王に輝いた前田は、その後スコットランドのセルティックに渡り、2021-22シーズン後半戦に8ゴールを記録した。しかし、今季は開幕からスコティッシュ・プレミアシップでの得点はなく、スコティッシュ・リーグカップで挙げた1ゴールのみにとどまっている。それでも、「クラブと代表は別なので、代表でしっかりゴールを取れるように頑張りたい」と前を向いた。

 自分自身でもメンタル面の作り方は理解している。「意識しすぎると空回りするので。無の状態、何も考えていない時が良い状態。ゾーンに入れば自分の強みが出る」と話した前田は、セルティックと日本代表では得られるチャンスの数が違うことにも言及。“意識し過ぎず”、それでも集中力は維持する重要性を語っている。

「セルティックではチャンスが多いので、正直(得点を取れなくても)切り替えられる部分はある。けれども、これから代表ではそういうチャンスが1回、2回だと思うので、そこで決め切らないと難しい試合になる。より一層、集中していかないといけない」

 前田はその圧倒的なスピードを発揮したスペースへの飛び出しが持ち味だ。練習ではトップ下に入った鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)との良い関係性が感じられたが、前田自身も「大地くんはワンタッチで前を向けるので、裏に走るタイミングがわかりやすい。試合をやってみないとわからないけど、楽しみにしている」と手応えを口にした。

 また、前田のスピードが活きるのは攻撃時だけではない。攻守が切り替わった瞬間に猛スピードで寄せられるのは大きな武器で、試合を通じて何度もロングスプリントを繰り替えすことができる。前田も「裏抜けだけじゃなく、前線からのハードワークもできると思っている」と語っており、「守備でも味方を助けたい。(攻撃と)両方できるように頑張る」と意気込んでいる。

 大迫勇也(ヴィッセル神戸)と浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)が不在の中、前線の選手として前田にかかる期待も大きい。メンバー争いのことを考えると“チャンス”とも呼べる状況ではあるが、前田は「誰がいないとか関係なく、自分の良さを出すだけやと思っているので」と断言。“らしさ”を発揮して、個人として本大会行きの切符を掴み取る意欲を示した。

「立場が確立されている選手でもないし、下から這い上がっていくという思いでやっているので。しっかりとメンバーに入れるように地道にやっていければ」

 アメリカ代表との一戦、そして本大会ではボールを持たれる時間帯も想定されるが、前田は「カウンターは自分のスピードが活きてくる。そこは常に狙っていきたい」と話す。前田はアメリカ代表との一戦で“強み”を発揮できるか。注目の試合は、23日の21:25(現地時間14:25)にキックオフ予定。試合はフジテレビ系列にて全国生中継(一部地域のぞく)され、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」でも無料ライブ配信される。