若手が躍動している
ワールドカップ・カタール大会で日本代表とぶつかるスペイン代表は28日UEFAネーションズリーグにてポルトガル代表と対戦。終盤に挙げたアルバロ・モラタのゴールが決勝点となり、0-1でスペイン代表が勝利を収めている。これでLeagueAGroup2の1位で全6試合を終え、クロアチア、イタリア、オランダが待つ4強に進出した。
勝利したラ・ロハだが、前半は決して褒められた内容ではなかった。ボールは持てるが攻撃が進まずに停滞。中盤でボールを刈り取られ、ショートカウンターを受ける場面もあり、守護神ウナイ・シモンの活躍がなければ前半で試合は決まっていたかもしれない。
それでも後半セルヒオ・ブスケッツが入ったことでボールの循環が良くなり、ルイス・エンリケ監督はさらにガビ、ジェレミー・ピノ、ペドリ、ニコ・ウィリアムズらヤングタレントを次々に投入する。ウィリアムズ以外はまだ10代の3人であり、そのウィリアムズも7月で20歳になったばかりだ。ポジションはバルセロナの2人がインサイドハーフ、ピノ、ウィリアムズはサイドアタッカーとしてピッチに立つ。
まず目立ったのはガビのアグレッシブさだ。前半のカルロス・ソレールとコケは大人しかったが、ガビは中盤で躍動。オフザボールにデュエルと各局面で輝きを放ち、彼が作ったスペースを味方が使う。ガビが入ったことで、明らかに敵陣でボールに触れる回数が増えており、ペースアップに成功した。
大仕事をやってのけたのは左サイドに投入されたウィリアムズだ。アスレティック・ビルバオでプレイする20歳のアタッカーで、スイス戦でフル代表デビューを飾ったばかりの選手だが、終盤ヘディングでモラタのゴールをお膳立てしている。評価は高く、英『90min』では「スペイン最高の選手」、西『MUNDO DEPORTIVO』では「ファイナル4進出のカギ」と絶賛されている。
ポルトガル戦のスタメンが控え組中心だったとはいえ、後半から選手交代でギアを上げられるスペイン代表は強い。守護神であるシモンもこの日、4セーブと当たっており、前半わざと試合を塩漬けにし、後半からギアを上げる選択肢ができた。日本とはグループステージ最終戦での対戦となっており、ルイス・エンリケ監督はどのような布陣で日本戦に臨むのか(データは『SofaScore』より)。