W杯でも弱気になる必要はない
アジア勢はワールドカップ出場国の中でも最弱と評価されることも多いが、本当にアジア勢は弱いのだろうか。今月の親善試合はなかなか興味深いゲームも多かった。
アジア史上最高級アタッカーであるソン・フンミンを擁する韓国代表は23日にコスタリカ代表(2-2)、27日にカメルーン代表(1-0)と対戦し、1勝1分とまずまずの結果を残している。両方のゲームでソン・フンミンがゴールを決めており、ワールドカップ本番へ良い締め括りとなったのではないか。コスタリカとカメルーンはどちらもカタール大会に出場してくるチームで、韓国はそこと互角に戦えている。
イラン代表は24日にウルグアイ代表を1-0で撃破し、27日にはセネガル代表と1-1で引き分けた。こちらもワールドカップ出場国相手に結果を出したことになり、ワールドカップ本番でもイランには期待が持てる。
サウジアラビア代表は快心の出来とは言い難いが、今月の親善試合ではエクアドルとアメリカ相手にスコアレスドローでゲームを終えている。
そして日本はアメリカに2-0、エクアドルとはスコアレスドローだ。
オーストラリア代表はニュージーランド代表との親善試合2試合を1-0、2-0の2連勝で終えており、開催国のカタール代表を除けばアジア勢は今月の親善試合で一定の結果を残せている。欧州でプレイする選手も増えており、単純にアジア勢を最弱とは言えなくなってきたのではないか。
韓国はガーナ、ウルグアイ、ポルトガルとグループHで同居するが、ポルトガルを除く2チームとは互角以上に戦えるはずだ。もちろん親善試合とワールドカップ本番は本気度が異なるものの、このグループでも韓国を最弱と評価することはできない。
グループCのサウジアラビアはアルゼンチン、ポーランド、メキシコとの戦いだ。こちらもアルゼンチンは相手が悪いが、残る2チームとは接戦まで持ち込めるのではないか。
グループBのイランはイングランド、ウェールズ、アメリカとの戦いで、こちらは十分に突破の可能性がある。イングランドも最近は攻撃が湿り気味で、ウェールズとアメリカはワールドカップでの経験がそこまで豊富ではない。アメリカは日本戦で不安定なところも見せており、イランならば互角に戦えるだろう。FWサルダル・アズムン、メフディ・タレミなど黄金世代と呼ばれる選手たちは個のクオリティも高い。
最後にグループEの日本だが、守備は4年前のロシア大会より明らかに向上している。それは今月の親善試合でも確認できたのではないか。
ドイツ、スペイン、コスタリカとのゲームはいずれも難しいが、守備が大崩れするシナリオは想像しづらい。ドイツ、スペインを怖がり過ぎる必要もないだろう。苦しいゲーム展開にはなるだろうが、数年前に比べれば勝てる確率も上がっているはずだ。
前回のロシア大会では日本のみがアジア勢からベスト16へ駒を進めた。果たしてカタール大会ではいくつ決勝トーナメントへ送り込めるのか。4年間の成長を見せる場で、そろそろ世界のアジアに対する評価を変えるタイミングとしたいところだ。