ついに11月21日(日本時間)からFIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)が開催される。1930年の開始年から第22回目にして、初めての中東開催となるW杯。カタールW杯は他にも普段と異なる様々な特徴を含むユニークな大会である。

ここではカタールW杯開催を前に、サッカー好きなら知っておきたい6つの真実についてご紹介したい。


サッカー好きなら知っておきたいカタールW杯6つの真実
カタールW杯組み合わせ抽選会 写真:Getty Images

1)初の冬季開催

毎回W杯の開催時期としては、ヨーロッパのシーズンが終わる6月頃が常識ではあるが、今カタールW杯は初の冬開催。11月21日(日本時間)が開幕戦となるイレギュラーな大会となった。通常時期の開催となると中東に位置するカタールは50℃を超える気温になるため、試合を開催することはほとんど不可能。本当の開幕戦は「気候」との戦いだった。


2)とにかくリッチな大会

カタールW杯における興味深いトピックの1つは「最もリッチな大会」になることである。スタジアムや宿泊施設などを含むインフラ設備に約2,000億ドル、日本円にして約30兆円もの資金が投入され、W杯史上最もリッチな大会と称されることになった。


3)最もコンパクトな大会

カタールW杯は「スタジアムの少なさ」も特徴の1つである。試合会場はたったの8つ。2018年のロシアW杯や2014年のブラジルW杯の12会場と比べると、近年では異例の少なさとなる。また8会場のうち改装されたのは1会場だけで、残り7会場は新たに建設されたものとなる。

カタールの国土面積は11,427㎢であり、秋田県とほど同じくらい。前大会のロシアと比べても非常に小さい国になるため、W杯特有のスタジアム間の移動という課題は、カタールにおいては問題にならないだろう。非常にメリットと言及できる。また2019年に開通したカタール初の地下鉄であるドーハメトロが全ての会場を結んでおり、観戦者にとっても良心的なインフラが整備されている。


サッカー好きなら知っておきたいカタールW杯6つの真実
フランス代表 FWキリアン・ムバッペ 写真:Getty Images

4)混迷を極める優勝国予想

フットボール界の最大の祭典とも呼ばれる4年に1度の大会を前に、グループステージの組み合わせが確定して以降、様々な勝敗予想が繰り広げられている。過去ドイツでは「タコが下した予言」にすべてを託したこともあった(パウルというタコが、2010年南アフリカW杯でドイツ代表の計8試合の勝敗を全て的中させた)。

そんな中、とあるブックメーカーがカタールW杯で優勝する可能性がある10カ国について発表。最も優勝する可能性が高い国はフランス(16%)。続いてブラジル(14%)イングランド(12%)アルゼンチン(11%)スペイン(10%)となっている。いずれも僅差のパーセンテージであることや、全体的な競技力向上などを背景にまったく見当がつかない予想となっていることが特徴的だ。あなたの予想は?

サッカー好きなら知っておきたいカタールW杯6つの真実
山下良美レフェリー 写真:Getty Images

5)初の女性レフェリーに日本人選出!

2022年5月に発表されたカタールW杯の担当審判員(レフェリー)。主審・副審からそれぞれ3名ずつが女性から選出された。男子W杯の歴史において初の女性審判が誕生することになったわけだが、そんな歴史的快挙に日本人レフェリーが関わっていることをご存知だろうか?

W杯史上初の女性審判員として名を残すことになった日本人レフェリーは、山下良美氏。これまでも女子W杯や東京オリンピックの女子サッカーを担当したり、男子サッカーでもアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の試合を担当したキャリアを持ち、これらの実績が評価された。


サッカー好きなら知っておきたいカタールW杯6つの真実
アルゼンチン代表 FWリオネル・メッシ 写真:Getty Images

6)最後になるかもしれないレジェンド級選手の多さ

どんなスター選手もいつまでも輝き続けることは絶対にできない。特に昨今のフットボール界において時代の巡りは早いと感じている。長年各国リーグで大いに盛り上げてくれた功労者たちの、国を背負って戦う勇姿を私たちが見られるのは、このカタールW杯が最後になるかもしれない。

アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(35歳)、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(37歳)、ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ(33歳)、ウルグアイ代表FWルイス・スアレス(35歳)。これまでビッグクラブで大車輪の活躍を見せてきたレジェンド級の選手たちの勇姿を、みんなで見届けよう。