内田、酒井、長友の次は誰が来る

11月下旬から行われるワールドカップ・カタール大会に臨む日本代表のメンバーが先日、日本サッカー協会から発表された。今回は従来の23人から3人増えた26人になっており、より選手層は厚くなっている。

ブラジルメディア『ge.globo』はこのメンバー発表を受けて日本代表に対する印象や課題を語っている。

その中で挙げられた懸念事項は進まないサイドバックの世代交代だ。

今の森保ジャパンは[4-2-3-1]がおそらく基本システムであり、右SBに酒井宏樹、左SBに中山雄太が入る。酒井は前回のW杯・ロシア大会からスタメンであり、怪我で離脱することもあったが、現状のスカッドであれば彼が1番手になる。

左SBの人選は固まっておらず、長友は1番手ではないが、中山はその長友を完璧に凌駕しているとは言い難い。攻撃時のクロスは魅力的だが、パフォーマンスの波が激しく、トップコンディションをカタールの地に持っていけるかが重要になる。また所属するハダースフィールドで負傷したとの報道があり、本戦出場が危ぶまれている状態だ。そうなればセンターバックでもプレイする伊藤洋輝が左SBに回るだろう。

ブラジルメディアはこの現状を嘆いている。酒井は今でも日本ではトップクラスの右SBだが、全盛期は過ぎた。ドイツやフランスにいた時代が彼のトップであり、長友もそうだろう。彼もまた海外を主戦場としていた時代からは衰えが見える。

今の日本には彼らを越えるSBがいない。正確には冨安健洋のような存在はいるが、代表では主にセンターバック起用であり、また違った強みを見せる。W杯・カタール大会後は監督によってSBで起用される可能性もあるが、本大会はCBでピッチに立つことになるだろう。

酒井は32歳、長友は36歳と大ベテランの域に突入している。そのため、今大会終了後は彼らの後継者として多くのSBが代表に招集されると予想できる。

その先頭に立つのは現在招集されている冨安や中山、伊藤らになるが、まだ呼ばれていないAZの菅原由勢、国内でいえば横浜F・マリノスの小池龍太や清水エスパルスの山原怜音、モンテディオ山形の半田陸ら有望株が招集されることになるだろう。

前線では三笘薫、久保建英、堂安律と注目の新世代が存在感を放っているが、SBはそれほど若手の台頭が見えてこない。ベテランの安定感も大事だが、若手の勢いも必要であり、今後酒井・長友を上回るSBは現れるのだろうか。