クロースがいれば中盤は盤石だった
日本代表がワールドカップ初戦で対戦するドイツ代表は、GKからFWまでスーパースターだらけだ。ほとんど穴はなく、このタレント力は流石と言わざるを得ない。
だが、不安材料もある。独『Bavarian Football Works』が手薄と指摘したのは、ボランチだ。ここはジョシュア・キミッヒ、レオン・ゴレツカのバイエルンコンビ、さらにマンチェスター・シティのイルカイ・ギュンドアンが招集されている。
この3人だけでも十分ではあるが、大会を通してファイナルまでの道筋を考えると層が薄いエリアとも言える。ドイツの場合は今もレアル・マドリードで活躍するトニ・クロースが代表を退いており、今でもクロースはワールドクラスのゲームメイカーだ。本来ならクロースもここに加えたかったはず。それが出来ればキミッヒを右サイドバックに回すなどオプションが広がるため、やはりクロースの代表引退は痛い。
ボランチにはユリアン・ブラントやマリオ・ゲッツェを回すことも可能ではあるが、ボランチの位置でワールドクラスと呼ぶかは微妙なところだ。
今回のドイツはヨナス・ホフマン、ジャマール・ムシアラ、ゲッツェ、ブラント、トーマス・ミュラー、セルジュ・ニャブリ、レロイ・サネ、カイ・ハフェルツ、カリム・アデイェミ、ユウスファ・ムココ、ニクラス・フュルクルクと2列目から最前線にかけてのメンバーがかなり多く招集されており、セントラルMFの人員を考えると招集のバランスが前線に偏りがちとも言える。
これが初戦の日本戦に何らかの影響を与えるとは思えないが、大会を通して考えるとボランチの層が薄いのは気がかりか。またハンジ・フリック政権においてムココ、ゲッツェ、フュルクルクはサプライズ枠での招集で、彼らがどこまで戦力になるか読みづらいところもある。
タレント揃いなのは間違いないが、今回のドイツを優勝候補と呼ぶべきだろうか。4年前のロシア大会が残念な結果に終わったとはいえ、やはりクロースがいればと考えさせられる中盤構成だ。