前回大会では日本とブラジルを破った

ケビン・デ・ブライネ、ティボー・クルトワ擁するベルギー代表はワールドカップ・カタール大会に出場する。グループステージではカナダ、モロッコ、クロアチアと同組のグループFとなっており、まずは決勝トーナメント進出を目指す。

前回のW杯・ロシア大会でのベルギー代表は強力で、ラウンド16で日本代表を破ると、勢いそのままにブラジルを撃破。準決勝では優勝したフランスに敗れたが、3位決定戦ではイングランドを倒し3位でW杯を終えている。

しかしベルギー代表のピークは2018年のロシア大会で終わってしまったのかもしれない。続くEURO2020ではW杯・ロシア大会のような勢いはなく、イタリアに敗れている。

ベルギー代表はタレントが豊富で、それこそ前述したデ・ブライネとクルトワはそのポジションにおいてのスペシャリストであり、世界で見ても有数の選手だ。所属するマンチェスター・シティ、レアル・マドリードでは主力であり、昨季はCLラウンド4で激突し熱戦を繰り広げてくれた。

ピークとされるW杯・ロシア大会では彼らに並ぶ選手がいた。エデン・アザールやロメル・ルカクのことだ。アザールはまだチェルシーでプレイしており、ルカクも今ほど評価は下がっていない。彼らが今も健在であれば今大会でも優勝候補の一角と呼べたが、今は全盛期の輝きを失っている。とくにアザールは今季レアルで98分しかプレイしていない(リーグ戦の数字)。もちろんレアンドロ・トロサールのような彼らに代われるアタッカーはいるが、ロベルト・マルティネス監督の中では未だアザールの序列は高い。

次に世代交代の進まない最終ラインも気になる。ヤン・フェルトンゲン、トビー・アルデルヴァイレルトの2人は重宝され続けており、顔ぶれは変わらない。ゼノ・デバストのような若手はいるが、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルトほどの存在感を発揮するには至っていない。

グループステージ突破は濃厚だが、決勝トーナメントに進む国と比較するとベルギー代表のタレントは見劣りしてしまう。指揮官であるロベルト・マルティネスも策のなさを指摘されており、今大会ではどこまで進むことができるのだろうか。