ワールドカップが開催されるカタール・ドーハへ乗り込んでから、他国同様にトラブルが続いている森保ジャパン。発熱による三笘薫の合流の遅れに始まり、直前の強化試合では負傷の影響などによって遠藤航、守田英正、冨安健洋が不在となった。

 特に守田は状態が芳しくない様子で、11月20日のトレーニングも別メニュー調整。ドイツ戦の出場は厳しいと見られる。

 一方で脳震盪からの回復プログラムに沿って行動していた遠藤はすでに全体トレーニングに復帰。プロトコルをすべて終えたことを21日のオンライン取材で明かしており、「全体練習に戻っているし、動いてみて個人的に何かあるわけではないので、大丈夫です」とドイツ戦への出場に意欲を示した。

 実戦や本格的なトレーニングから少し離れていただけに状態はやや不安で、脳震盪を起こした激しい衝突が試合中にフラッシュバックする可能性もある。現に遠藤もこう語る。

「身体が怪我しているわけではないので練習はできますが、もう一回当たったらどうしようという不安はあります。ただ、それを気にしていたらサッカーをできないので、試合になったら気にせずやれると思います」
 
 攻守に高いインテンシティを提供してくれる遠藤の存在は非常に貴重だ。本人の言葉通り、90分プレー可能なのであれば頼もし限りで、次に気になるのがその相棒である。候補は田中碧と柴崎岳。田中と柴崎はカナダ戦で先発したが、パフォーマンスを見たうえでは柴崎のほうが状態は良さそうだ。

 ただ個人的には東京五輪でコンビを組んだ遠藤と田中の組み合わせに期待したい。彼らなら連係しながらより幅広いエリアをカバーできるはずで、遠藤が後ろに残って田中が飛び出す、もしくはその逆のパターンも五輪で実証済み。

 懸念は合流前に怪我を抱えていた田中のコンディション。カナダ戦を経て本人はこう語っていた。

「一番は体力の問題があったので、そこは(試合を)やったので多少、良いのかなと思いますし、フィーリングの部分は対人もやっていなかったので、そこはここ(練習)でもできるので、徐々に上がっていくと思います」

 そしてこうも続けた。

「緊張感があるのは間違いないですが、自分が(ワールドカップ予選で)初めて出たオーストラリア戦もそうですが、変にと言ったらあれですが、自分ができることは自分の持っているものを出すだです。気負いすぎても、パフォーマンスが出ないのは分かっているので、深く考えすぎるという言い方をすると語弊がありますが、まずは良いプレーをするためには自分が一番楽しむことがチームの力になるので、その90分に対して自分が一番楽しめるようにやっていきたいです」

 前述したとおり柴崎岳も有力な候補で、CBの板倉滉、トップ下を主に担う鎌田大地も起用可能である。森保一監督がどんな選択をするかは、ドイツ戦に大きな影響を与えそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)