11月23日、森保ジャパンはいよいよ4年間の集大成となるカタール・ワールドカップの初戦、ドイツ戦へ臨む。
前日の練習には26人全員が参加。17日の強化試合・カナダ戦を回避した遠藤航は脳震盪の回復プロトコルをすでに終えており、冨安健洋もドイツ戦に照準を合わせてきた様子だ。
発熱の影響で合流が遅れた三笘薫も「ドイツ戦までは100パーセントに戻せると思います」と語っており、左太ももの違和感から21日に全体メニューに復帰したばかりの守田英正も「100パーセントに近い状態で戻って来られた」と説明している。
森保一監督も前日会見で「26人全員が揃ってトレーニングできていますし、ドイツ戦を今日の練習が終わってみないと分からないですが、現段階で全員が戦えるメンバーとして考えられる、良い準備ができています」と自信を覗かせた。
もっとも守田は無理をさせられない状況のはずで、ボランチは遠藤航が本人が語る通り、90分のプレーが可能な状態であれば、彼の相棒を柴崎岳と田中碧が競う構図になる。
個人的には東京五輪で組んだ遠藤と田中のコンビを推したい。強度の面を考えてもこのコンビが適任ではないだろうか。ただし、カナダ戦のパフォ―マンスを見る限りでは柴崎が遠藤と組む可能性も浮上する。ボランチは鎌田大地、板倉滉を回す選択肢もあるが……。
またドイツ戦に出場する準備をしてきたという冨安も離脱期間が短くなかっただけに、先発を任せられるかは不透明。その点で板倉の先発も考えられるが、必勝を期して可能な限りの力をぶつけるという意味では、吉田と冨安のコンビを挙げるべきか。
ドイツでは左サイドのアタッカー、レロイ・ザネが怪我のため欠場しそうだが、SBには1対1に強い選手を入れたいところ。経験値を踏まえれば、右に酒井宏樹、左に長友佑都の配置がベターに映る。
ちなみに長友は前日練習で決意の赤髪を披露。周囲に気合を注入するなど、ベテランとしてチームを盛り上げている。
中盤2列目は9月のアメリカ戦で手応えを得た右から伊東純也、鎌田、久保建英の並びになるのではないか。ただし、やや不安なのは、21日のトレーニングで右ふくらはぎにテーピングを巻いていた伊東の状態。カナダ戦も欠場したこのスピードスターは欠かせない存在だが、好調の相馬勇紀らを組み込む形も考えられるか。
三笘薫も攻撃のキーマンであるが、合流が遅れた点も踏まえれば、ジョーカーとして起用する確率が高いだろう。スコアレスなどで粘り、勝負どころで三笘や相馬らを送り出せば、勝利の方程式を描けるかもしれない。
CFは脚力を生かして前線から何度もチェイシングをできる前田大然が第一候補だろう。彼にはドイツに圧をかけ続けてもらい、終盤に上田綺世、浅野拓磨らを投入する形がベストか。
その後のコスタリカ戦(11月27日)、スペイン戦(12月1日)とグループ3戦をトータルで考えたいが、何よりも大事のは初戦。ここで勢いに残ってこそ、グループリーグ突破、悲願のベスト8への道が見えてくるはずだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)
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