アメリカがウェアのゴールで先制するも、後半36分にウェールズが追い付く

 カタール・ワールドカップ(W杯)は現地時間11月21日にグループリーグB組第1戦のアメリカ代表とウェールズ代表の試合が行われ、1-1で今大会初の引き分けになった。

 アメリカはイングランド1部の名門チェルシーでプレーするFWクリスティアン・プリシッチや、イタリア1部の名門ユベントスのMFウェストン・マッケニー、ACミランのDFセルジーニョ・デストらのスタメンが並んだ。一方で64年ぶりの本大会出場となったウェールズは、スペイン1部の強豪レアル・マドリードで長年プレーして現在はアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)に活躍の場を移したFWギャレス・ベイルがスタメンに入った。

 アメリカは4-3-3を軸に洗練されたボール運びを見せ、ウェールズは5-3-2でブロックを構えつつ、奪ったボールはシンプルに前方へ送り込む形を取った。アメリカは右サイドから前進を図る場面が多くなったが、ボールロストから奪い返しにいったマッケニーとデストが前半の早い時間帯でイエローカードを受けてしまうなど、やや気負いが見られた。

 時間の経過とともにゲームはアメリカが支配するようになっていった。そして前半36分、元リベリア代表でミランなどでプレーし、現在はリベリア大統領のジョージ・ウェア氏を父に持つFWティモシー・ウェアが背後へのパスに抜け出して先制ゴールを奪い、アメリカが1-0でリードして前半を終えた。

 後半に入るとウェールズが前半よりもシンプルなプレーを見せるようになり、少々強引なプレスやクロスも増えて圧力を高めた。後半19分にはセットプレーからの混戦でDFベン・デイビスがヘディングシュートを放つもGKマット・ターナーがファインセーブ。続くコーナーキックはFWキーファー・ムーアがフリーで合わせるも枠外に飛び、わずかなところでゴールを奪えなかった。

 ウェールズの圧力に慣れてきたアメリカは、組織力で上回ってカウンターでゴールに迫る場面も作っていった。しかし後半36分、ウェールズは右サイドからMFアーロン・ラムジーがマイナス気味のボールを入れるとベイルが上手く相手との間に身体を入れてボールをキープしてファウルを誘発。このプレーでPKを獲得すると、ベイルが自らゴール右に蹴り込んで同点ゴール。この一撃で1-1の引き分けに持ち込み、両者痛み分けのスタートになった。(FOOTBALL ZONE編集部)