【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループB】アメリカ1 - 1ウェールズ(日本時間11月22日/アフマド・ビン・アリ・スタジアム)

“ヤングガンズ”アメリカが初戦でウェールズを退けるかと思われたが、円熟味を増す男・ベイルが試合を振り出しに戻し、注目の一戦は1-1のドロー決着となった。

【映像】死力を尽くした大激戦!64年ぶり出場のウェールズがサポーターとともに燃える

先制点はアメリカだった。決めたのは、リベリアの第25代大統領であり、元アメリカ代表選手として1995年にバロンドールを受賞したレジェンド、ジョージ・ウェア氏を父に持つウェア(リール/フランス)。36分にスルーパスに抜け出してGKとの1対1を冷静に決め切ってチームに勢いをもたらした。

FIFA ワールドカップ カタール 2022開幕時点で、チームの平均年齢は25歳175日と、ガーナに次いで2番目に若いチームながら、序盤から試合を支配したアメリカ。20分を過ぎた時点ですでにボール支配率は70%を超え、枠内シュートこそないものの自分たちのリズムで組み立てていた。迎えた36分、相手のロングキックを自陣で拾ったアメリカが攻撃に転じると、敵陣に入ったところでプリシッチ(チェルシー/イングランド)が単独突破を開始。そしてゴール前へスルーパスを送ると右から中に走り込んだウェアがゴールを陥れた。

チームの絶対的エースであり、精神的な支柱であるベイル(ロサンゼルスFC/アメリカ)を擁し、64年ぶりの出場となったウェールズは、後半に入って盛り返したものの、なかなかゴールを奪えない。真っ赤に染まったスタンドのファンは、相手GKにセーブされるたびに頭を抱えるしかなかった。しかし、ハイライトは82分に訪れた。

右サイドのスローインの流れから、ボックス内でボールを受けようとしたベイルが倒されてPKを獲得。キッカーを務めるのはもちろんベイルだ。右隅へと蹴り込んだボールは、アメリカのGKターナー(アーセナル/イングランド)が反応したものの「ボールが速くて強かったので(GK)はうまく弾ききれなかった」(戸田和幸氏)とネットに突き刺さった。

その瞬間、スタンドは狂喜乱舞。試合のボルテージは最高潮になっていった。その後も一進一退の攻防を繰り広げたものの両者スコアを動かすことはできずにタイムアップ。アメリカ優勢かと思われた試合だったが、ヨーロッパ予選でウクライナを破り勝ち上がってきたウェールズが意地を見せ、さながら“勝利”したかのような雰囲気で勝ち点1を手にした。

(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)