森保一監督率いる日本代表は、23日にFIFAワールドカップ・カタール大会のグループリーグ初戦・ドイツ戦に臨む。そんな大一番を前に、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長による人権問題へのコメントが批判の対象となっている。
カタールW杯の開催を巡っては、カタールの法律で同性愛が禁止されていることにより、性的マイノリティに対する人権侵害が問題となっている。またワールドカップのスタジアムやトレーニング施設等の建設に携わった外国人労働者に対する給与未払いや違法労働も問題視されている。
これらの問題に対しては、ドイツ代表OBのフィリップ・ラーム氏がカタールW杯のボイコットを宣言。国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター元会長が「カタールに開催権を与えることは間違いだった」と語るなど、多くのサッカー関係者から反発の声が上がっている。
そんな中、田嶋幸三会長は21日に日本代表のトレーニング施設を訪問。一部メディアの報道によると、同会長は「差別や人権問題については、協会としていい方向に持っていきたいと思っている」と前置きした上で「今この段階でサッカー以外のことでいろいろ話題にするのは好ましくないと思う。他の代表チームも同じスタンスであってほしい」と語ったという。
するとツイッター上では「斜め上すぎて恥ずかしい」、「サッカー以外興味ないのか」、「JFA会長辞めろ」といった批判が噴出。「カタールW杯で犠牲になった人たちに申し訳ない」、「日本の恥」、「これが日本の人権意識か…と世界から思われそう」といった声も上がっているほか、「田嶋会長」がトレンド入りするなど同会長の発言が波紋を呼んでいる。
なお田嶋幸三会長は今年3月、JFA会長に再任。カタールW杯アジア最終予選中に森保一監督の続投へ強いこだわりを見せていたこともあり批判を浴びていたが、ここにきて再び逆風にさらされている。