FIFAワールドカップカタール2022・グループD第1節が22日に行われ、フランス代表とオーストラリア代表が対戦した。

 前回大会で5大会ぶり2度目の世界王者に輝いた“レ・ブルー”は、史上3カ国目となるW杯連覇を目指す。一方、オーストラリアは5大会連続6度目のW杯出場となったが、直近の2大会では白星を掴めておらず、南アフリカ大会以来となるワールドカップでの勝利を狙う。この試合に先立って行われたデンマーク代表とチュニジア代表の一戦がスコアレスドローで終わったため、勝ったチームが首位に立つこととなる。

 フランスはエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバらが負傷のため大会を欠場しており、カリム・ベンゼマとクリストファー・エンクンクもケガの影響で無念の途中離脱となった。それでも、スターティングメンバーにはオーレリアン・チュアメニ、アントワーヌ・グリーズマン、ウスマン・デンベレと豪華な面々が並んだ。“エース”のキリアン・エンバペも先発に名を連ねている。一方、オーストラリアはマシュー・ライアンやアーロン・ムーイがスタメン入り。ファジアーノ岡山に所属しているミッチェル・デュークも先発入りを果たした。

 試合はキックオフ直後からフランスが押し込む展開となったものの、9分に意外な形でスコアが動く。右サイド高い位置でサイドチェンジのボールを受けたマシュー・レッキーがワンタッチで対峙するリュカ・エルナンデスと入れ替わり、最終ラインとGKの間に鋭いクロスボールを供給。ファーサイドでフリーになっていたクレイグ・グッドウィンが押し込み、オーストラリアが先手を取った。さらに、このプレーでL・エルナンデスが負傷してしまい、プレー続行が不可能に。テオ・エルナンデスとの交代を強いられた。

 それでも、27分にはセットプレーからフランスが維持を見せる。右コーナーキックのこぼれ球がT・エルナンデスに渡ると、得意の左足でクロスボールを供給。ペナルティエリア内でフリーになったアドリアン・ラビオがヘディングシュートを叩き込み、フランスが試合を振り出しに戻した。続く32分には敵陣でボールを奪ったラビオがエンバぺとのワンツーでボックス脇に侵入。中央への折り返しをオリヴィエ・ジルーが押し込み、フランスが即座に逆転に成功している。

 その後もフランスが猛攻を続けたものの、リードは広げられず。対するオーストラリアは前半アディショナルタイム、左サイドからのクロスボールをジャクソン・アーバインが頭で狙ったが、シュートは左ポストに嫌われた。前半はこのままフランスの1点リードで終了している。

 後半に入ると完全にフランスが押し込み続ける展開に。66分には左サイド深い位置からの折り返しを、ペナルティエリア内でフリーになったグリーズマンが合わせたが、ゴールカバーに入っていたアジズ・べヒッチに弾き出される。それでも直後の68分、右サイドでボールを持ったデンベレがタイミングを見てクロスボールを送ると、エンバぺがヘディングシュート。このシュートが左ポストに当たってゴールネットを揺らした。

 さらに71分、再びエンバぺが輝きを放つ。左サイドをスピードを活かしたドリブルで突破し、左足でクロスボールを供給。ペナルティエリア内で頭1つ抜け出したジルーが頭で叩き込む。攻撃の手を緩めないフランスが後半にも2点を追加し、試合を決定付けた。

 試合はこのままタイムアップ。王者として今大会に臨んでいるフランスは、オーストラリアに先制を許す難しい展開となったものの、4得点で鮮やかな逆転勝利を飾った。

 次節は26日に行われ、フランスはデンマークと、オーストラリアはチュニジアと、それぞれ対戦する。

【スコア】
フランス代表 4-1 オーストラリア代表

【得点者】
0-1 9分 クレイグ・グッドウィン(オーストラリア代表)
1-1 27分 アドリアン・ラビオ(フランス代表)
2-1 32分 オリヴィエ・ジルー(フランス代表)
3-1 68分 キリアン・エンバペ(フランス代表)
4-1 71分 オリヴィエ・ジルー(フランス代表)

【スターティングメンバー】
フランス代表(4-3-3)
GK:ロリス
DF:パヴァール(88分 クンデ)、ウパメカノ、コナテ、L・エルナンデス(13分 T・エルナンデス)
MF:ラビオ、チュアメニ(77分 フォファナ)、グリーズマン
FW:エンバぺ、ジルー(88分 テュラム)、デンベレ(77分 コマン)

オーストラリア代表(4-3-3)
GK:ライアン
DF:アトキンソン(85分 デゲネク)、サウター、ロールズ、べヒッチ
MF:マッグリー(73分 メイビル)、ムーイ、アーバイン(85分 バッカス)
FW:レッキー、デューク(56分 カミングス)、グッドウィン(73分 クオル)

【ゴール動画】フランスがオーストラリアに鮮やか逆転勝利