豪州に先制を許すも、前半27分以降は主導権を握る

 カタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦で、前回王者フランス代表が現地時間11月22日にオーストラリア代表を4-1で撃破。FWオリビエ・ジルーが2得点するなど豪華攻撃陣がゴールを重ねた。

 フランスは大会を前に、前回優勝を支えたMFエンゴロ・カンテとMFポール・ポグバが負傷により出場できない事態になった。中盤の起用が注目されたが、ディディエ・デシャン監督はMFアドリエン・ラビオとMFオーレリアン・チュアメニを並べた。また、最前線ではバロンドールを受賞したFWカリム・ベンゼマも負傷で出場できないなか、イタリア1部ACミランで好調なFWオリヴィエ・ジルーが中央に入った。

 そのフランスは最悪のスタートを切った。前半9分、オーストラリアが右サイドに攻撃を展開すると、FWマシュー・レッキーがワンタッチ目でDFリュカ・エルナンデスをかわすとゴール前を横切るような低いアーリークロス。これをファーサイドでフリーになっていたFWクレイグ・グッドウィンが蹴り込んだ。また、このプレーで負傷したリュカ・エルナンデスは早くも交代となり、弟のテオ・エルナンデスが送り込まれた。

 その後もJ2リーグのファジアーノ岡山でプレーするFWミッチェル・デュークの強烈ミドルがゴールを襲うなどオーストラリアにチャンスもあったが、次第に地力で勝るフランスがペースを奪った。前半27分にセットプレーからの2次攻撃でゴール前に入ったクロスをラビオが頭で決めると、前半32分にはハイプレスからラビオがボールを奪い、ラストパスをジルーが蹴り込んだ。あっという間に逆転したフランスが2-1でリードして前半を終えた。

 後半に入るとフランスが完全に試合をコントロール。豪華な攻撃陣が次々にゴールへ迫っていくと後半23分、右サイドからFWウスマン・デンベレが上げたクロスをFWキリアン・ムバッペが頭で押し込んで追加点。若きエースにも今大会の初ゴールが生まれた。さらに後半26分にはムバッペのクロスをジルーが頭で叩き込んで4-1と一気にリードを広げた。ジルーはこれでフランス代表通算51ゴールとなり、1998年フランスW杯の優勝メンバーでもあるティエリ・アンリ氏の最多記録に並んだ。

 フランスはゲームをコントロールしたまま3点差を維持して初戦を飾った。W杯では2010年南アフリカ大会のイタリアから前回王者が3大会連続でグループリーグ敗退しているが、終わってみればフランスはそのジンクスを打ち破るように大会を好スタートした。また、J2のアルビレックス新潟でプレーするオーストラリアのDFトーマス・デンは出場機会なく試合を終えた。(FOOTBALL ZONE編集部)