コッリーナ審判委員長が見解

 国際サッカー連盟(FIFA)の審判委員長、ピエルルイジ・コッリーナ氏が、開催中のカタール・ワールドカップ(W杯)でアディショナルタイムがかなり長く取られていることについて説明。特に、「ゴール・セレブレーション」で使用された時間について「埋め合わせられるべき」と強調した。FIFA公式ツイッターが動画を公開している。

 スキンヘッドの名レフェリーとして知られたイタリア人審判員のコッリーナ氏は、数々のビッグゲームを担当して2002年の日韓W杯では決勝戦の主審も担当した。定年で現場を退いたあとは、FIFAで要職に就いて後進の指導にあたっている。

 今回のW杯では、イングランド代表とイラン代表が対戦したゲームで前半に14分、後半にも10分のアディショナルタイム表示だったことが話題になった。さらに、後半アディショナルタイムの間にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入してイランにPKが与えられたこともあり、FWメフディ・タレミもゴールは後半アディショナルタイム13分と記録された。試合はイングランドが6-2で勝利している。

 コッリーナ氏はこの件について「私たちはレフェリーたちにすでに通達しているが、新しい何かではなく、すでに4年前のロシアW杯でも同じことをしている。レフェリーたちには非常に正確に時間を計測し、前後半それぞれに接触などで空費された時間を追加されるべきだと通達した」と話す。そして「私たちが避けたいのは、42分から45分のアクティブタイムの試合をすること。それは受け入れられない」と説明している。

 このイングランド戦では、前半にイランのGKアリレザ・ベイランバンドが味方選手と接触して倒れ込み治療に時間を要した。しかし、それ以外にも前半だけでイングランドが3点を奪い、後半は両チーム合計で5点が入った試合だった。それが、コッリーナ氏が強調したい部分につながっているようだ。

「繰り返すが、接触があった時、負傷の治療、交代の時間、PK、レッドカード、ゴール・セレブレーション。私が強調したいのはゴール・セレブレーションで、これは1つのチームに対する喜びの時間であり、相手チームにとっては恐らくそうではない。だが、その喜びの時間には1分から1分半かかる。45分で2点か3点が入ったことを想像してほしいが、簡単に3分、4分、5分とゴール・セレブレーションだけで時間が失われる。この時間は埋め合わせられるべきだと考える」

 審判委員長のコッリーナ氏からも明確な指針が発されたことによって、今後もアディショナルタイムは厳格に測定されて追加されていくだろう。第四審判が掲げる表示時間が二桁になることも珍しくないものになりそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)