現地時間11月23日、カタール・ワールドカップは大会4日目を迎え、グループEの日本代表が初戦でドイツ代表と相まみえる。

 決戦に臨む森保ジャパンについて、ブラジルメディア『globo』の日本通、チアゴ・ボンテンポ記者が改めて日本を評価。「これまでのW杯でここまで強いチームに囲まれたことはないが、今ほど優秀なチームもなかった」と綴っている。

「1993年のアジア最終予選で、日本は土壇場でイラクに失点して引き分けてW杯出場を逃した。この時の“ドーハの悲劇”は、日本サッカー史上最大の悲劇として語り継がれてきた。その4年後には、イランとのプレーオフで“ジョホールバルの歓喜”と呼ばれる延長戦での決着で、初のW杯出場を決めた。

 選手時代にドーハで悲劇を体験した森保一監督は、過去を歓喜に替えたいと言った。彼らはW杯で世界王者に勝利を収めたことはない。今回、中田英寿や中村俊輔、本田圭佑や香川真司のようなスターの名前はない。強みは、より完成度の高いバランスの取れたチームであることだ(だがスターが目立つと成績が芳しくないことも確か)」
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 また、「ドイツ、スペイン戦では消極的で守備重視の日本、コスタリカ戦では攻撃的な日本のスタイルが見られるだろう」としている。

「彼らがカタールでサプライズを起こすには、素早いトランジションと選手たちのインスピレーションに満ちたプレーが必要だ。ただ、攻撃面では誰がゴールを決めるかは分からないのが厄介だ。同代表チームの“得点王”の1人である大迫勇也はメンバー外であり、南野拓実は調子を落としている。最も実績あるストライカー(古橋亨梧)はメンバーから外れた。それでも過去のW杯よりバランスの取れたメンバーであることは変わりなく、懸念要素はフルバックとFWのみだ。

 そして、監督として必ずしもプラスにならない“穏やかな性格”とされる森保は、2010年の岡田武史氏や2018年の西野朗氏のように、最初からオール・オア・ナッシングで臨む。国民的英雄になるか、失敗の主犯になるか、微妙なラインを歩んでいる」

 さらにボンテンポ記者は「準々決勝進出というのは、あまりに大胆な目標だと思わされる」としながらも、「ここ数年で学んできたことを示す絶好のチャンスだ」と日本代表にエールを送った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部