11月23日に「FIFA ワールドカップ カタール 2022」グループEで、日本代表は優勝候補の一角であるドイツ代表に逆転勝利を収め、世界を震撼させた。サウジアラビアがアルゼンチンに勝利したことに続く大番狂わせで、日本では「ドーハの歓喜」と呼ばれる大金星。一夜明けた24日、インタビュー取材に応じたDF長友佑都は前日の試合後に「ブラボー!」と叫んだことに「本当に興奮していた」と照れ笑いした。
―非常に「ブラボー」な試合だった。反響は。
反響はすごかったですね。連絡やメールもたくさん来ましたし、「ブラボー!」に溢れてました。かなり来ていて、友だちが「お前、すごい顔でブラボー!って言っていたな」とメールが来ていて動画を見ていたんですけど、顔が本当にもう(笑)。本当に興奮していたんでしょうね。アドレナリンがかなり出ていて、自分でも怖くなりましたね。
―チームの一体感をより感じた試合だった。よりまとまったか。
かなりあると思います。昨日の試合の前からみんなが一丸となっているなというのは感じていたんですが、勝つことによってチームの士気が上がりますし、雰囲気も最高で、いい状態だと思います。
―前半はボールが持てなかった。
ある程度は想像もしていたし、想定もしていたんですが、思っていた以上にドイツのクオリティの高さと、僕たちが嫌がるようなポジショニングで、かなり難しい試合になりました。前半は特に。
―対ドイツ、ニャブリとのマッチアップのイメージを作っていた。
むしろ対人ができないくらいの絶妙な配置をみんなが取ってきて、僕は言ってみればニャブリとの1対1のイメージトレーニングをしっかりしていたんで、もっと仕掛けてくるかなと思ったんですけど、本当に周りにいるミュラーとか、素晴らしい選手たちが絶妙なポジショニングを取るんで、なかなか1対1を作らせてくれなかったです。ポジショニングで僕らよりも相手が上回っていた前半でした。
―後半は森保監督がシステムチェンジした。
全然びっくりしなかったです。かなり冷静に対応できましたし、事前に試合でやっていたのと、練習でもかなりみんなで話し合ってトレーニングしていたので、違和感なく冷静に受け止められました。
―後半、システムチェンジに相手がついてこなかった。
前半、ああいう試合になっていたので、システムチェンジして後半、全く違う展開になっていて、僕らのプレスもはまっていましたし、相手がかなり嫌がっていたので「これはいけるかな」という手応えを感じてやっていました。
―システムチェンジはコミュニケーションが大事。コミュニケーションへの意識は。
かなり意識していますね。もちろん細かい戦術の話だったり、そういうコミュニケーションも大事なんですが、チームの士気を高めることだったり、若手選手が思いっきりプレーできるような環境づくりはベテランの役割だと思うので、そこは意識しています。
―ワールドカップの経験も豊富だが、この次の試合の大事さは。
初戦を本当に勝ったことが非常によかったと思うんですけど、次負けたら意味がないですし、勝っている時こそ気を引き締めないと足元をすくわれる。それは最終予選でも僕ら本当に痛い思いをして経験してきています。そういう経験をしてきている選手がたくさんいるので、みんな油断せずに切り替えて戦うと思います。
―積み上げてきた経験がここのメンタリティにつながるのか。
経験もそうですし、ドーハの悲劇から僕らのたくさんの先輩方が、いろいろな風景を僕たちに見せてくれた。そういったことも含めて、僕たちが経験したものもそうですし、全てが今につながっていると思うので、ドーハの悲劇からドーハの奇跡に変わったと言われていますけど、これも奇跡ではなく僕らが掴んだ必然かなと思っています。
―長く海外で活躍してきた。Jリーグにも戻り代表歴も長い。今回のワールドカップが日本サッカーに与える影響は。
かなり影響は大きいと思います。ワールドカップで日本代表が躍動して結果を出すということは、サッカー人気向上に確実につながりますので。ちょっとこの4年間は少し人気の面で寂しい部分もあったので、ここで一気に盛り上げていきたいと思います。
―いろいろな批判、逆風の中で突き進んできたが、批判もエネルギーに変えるのか。
もちろん気持ちいいものではないですけど、それも受け止めてエネルギーにして前に進むことが重要だと思いますし、僕自身「批判ガソリン」「仙豆みたいなもんだ」と言ってきましたけど、批判があるから前に進む力になります。称賛されている時こそ、自分を律してコントロールしないと、すぐに足元をすくわれるかなと感じているので、しっかりと引き締めて次に臨みます。
―サポーターに向けてひとこと。
昨日は本当に応援ありがとうございました。まずスタジアムに来てくださったたくさんのサポーターの方々、僕たちのパワーになりました。心から感動しました。日本で応援してくださったファンのみなさんも、その熱は選手たちにしっかり届きました。本当に感謝したいです。恩返しは自分たちが結果で示したいです。引き続き頑張ります。応援よろしくお願いします。
(『ABEMA NEWS』より)