日差しの強い時間帯でのキックオフに合わせ、午前11時から練習スタートへ変更
カタール・ワールドカップ(W杯)のグループE第2節コスタリカ代表戦を11月27日に控える日本代表は、現地時間26日の試合前日も試合時間に近い午前11時から練習を行った。
スペイン代表戦までの練習は17時開始、もしくは16時開始となっていた。しかし、コスタリカ戦のキックオフ時間が13時ということもあり、暑熱対策というよりも、日差し対策に取り組んだのだろう。というのも、カタールW杯のスタジアムはどこも冷房が効いており、スタジアムまでの道中は熱いが、スタジアムに入ればかなり快適だからだ。
DF吉田麻也(シャルケ)も「気温と湿度は、エアコンが壊れていなければ大丈夫だと思いますけど」と前置きをしてから「日差しがどれくらい入るかが、ちょっと分からない。そこだけは情報をもらうようにしています。昨日も試合をしていましたが、結構、日差しが入っているように見えた。日が当たると結構、消耗すると思うので、なるべく消耗をなるべくなくせるようなボール回しだったり、戦い方が求められるなと思う」と、語った。
フィールドプレーヤーにとっても日差しは大きな問題だが、GKにとっても日差しは敵になり得る。GK権田修一(清水エスパルス)は「昨日の13時からやってた試合を見て、僕らも日の入り方などを意識して見ていました。後半も日差しがバックスタンド側に入っていたので、『これくらいかな』と見ていました。実際に体感しないとわからないのですが、クーラーと日差しのバランス。今日も日差しは暑いけれど、クーラーは効いている。クーラーが日差しの暑さすらも忘れさせてくれるくらい涼しいのか、日差しが暑いのか。それが読めない。でも条件は相手も一緒。コスタリカは暑さに強いかもしれませんが、日本人もそもそも暑さに弱い人種ではないと思うので、あまり気にしなくていいかなと思います」と話した。
日本は暑熱対策も含め、練習時間を変えた。その効果についても、権田は「暑い時に、急に寒くなるのも身体は動かなくなるからきついですけど、逆に少し暑いなかでやって、試合の時に『少し涼しいな』と思えたほうが、身体が動く感覚はあると思う。この時間に練習をやったのは、そういう意図もあると思います。皆さんも気づいたと思いますが、ドイツ戦の前も途中まで17時開始だったのが、1時間早く16時開始にした。それも思ったよりも17時が涼しかったので、もう少し暑さに慣れようというのがあったかもしれない。松本(良一)フィジカルコーチをはじめ、コーチングスタッフで話してやってくれているので、僕らは与えられたなかで最大の準備をするのが大事だと思う」と言及し、勝利のために細部まで取り組んでいるスタッフへの信頼も語った。
当初、体力温存のために夕方に練習を行う予定だったコスタリカも、前日練習は15時から開始した。カタールの刺すような日差しは、選手たちの体力も消耗させるはず。後半になって、どちらのチームの足が動いているかは、こうした準備段階の取り組みの成果を図る一つのバロメーターとなりそうだ。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)