11月27日に行われた「FIFA ワールドカップ カタール 2022」のグループEで、日本代表はコスタリカ代表を相手に0-1で敗れた。勝てばグループリーグ突破が大きく近づく一戦だったが、0-0で迎えた81分に、自陣深くのルーズボールを相手に奪われると、必死に守ったもののシュートブロックできずに痛恨の先制ゴールを許し、これが決勝点に。『ABEMA Morning』には、元日本代表MFの石川直宏氏が出演。最終節のスペイン戦に向けて、「組織での守備でリズムを作ることが大事」とポイントを語った。

【映像】コスタリカ戦の振り返りとスペイン戦の展望を語る石川氏

 悔しい敗戦。石川氏はコスタリカ戦の敗因を「相手のブロックを崩すことができなかったこと」と指摘した。「コスタリカの戦い方は4-4-2。日本がボールを持った時にはブロックを作って、スペースを空けずにしっかりと守っていた。しかし、日本はなかなか構図が変わらなかった。期待していたのは、上田選手や鎌田選手にボールが入ってリズムが作られることだったが、まずボールが入るまでが大変だった。スペースを作る動きと、出来たスペースに入る動きが見たかった部分」と語った。

 後半戦については、「メンバーやポジションを変えながら仕掛けにいき、浅野選手、三笘選手を入れたことでカウンター気味の早いサッカーを目指した。流れを変えるような個の動きやスピードを活かそうというチャレンジだったが、その中で失点。コスタリカは非常に落ち着いていて、ワンチャンスを活かした」と悔しそうな表情を浮かべた。

 さらに、「失点シーンでは、GKの権田選手は両手を上に伸ばしてボールをキャッチしに行く姿勢だったが、コスタリカはその上に狙いを定めていた。勝負を分けるのは本当に数センチ。流れは日本だったが勝利をしたのはコスタリカ。相手のブロックをどう崩すかというところで課題が残ってしまった」と総括した。

 視線の先は、12月2日午前4時(日本時間)のスペイン戦へ。「どこからでも攻められる」という強敵を前に、石川氏は勝利へのカギを「積極的守備」だと語る。「スペインの中盤は、ブスケツ、ガビ、ペドリというバルセロナ所属の選手たち。その3人が織り成すリズミカルなボールの回し方は抑えがきかないので、彼らを3人で抑えるのは難しい。そういった中で、スペインを良く知る久保選手や、鎌田選手、守田選手、遠藤選手と4人で3人を見る形でも良いと思う。ボールを中ではなく外に出させて、その瞬間に両サイドが出て高い位置を取る。中盤での守備、スライド、チャレンジ&カバー、積極的な守備で、相手に日本の陣地でやらせないような組織での守備でリズムを作ることが大事になると思う」と解説した。

 キーマンには三笘選手をピックアップ。「コスタリカ戦も後半2つのチャンスシーンは彼の突破からだった。彼は流れを変えることができる選手の一人。それを活かすためには、良い意味で近づかないこと。近づきすぎると相手を寄せることになって、カバーに入らせてしまうことになってしまうので、早めに三笘選手にボールを出して、中に人数をかけることが大事。このシーンをいかにスペイン戦で作り出すかがポイントで、彼を武器に流れを作っていくのが良いと思う」と期待を込めた。

 過酷な気候、日程でのグループステージ。「体力的には連戦の方が行けたりするが、精神的にはこれだけプレッシャーがかかる試合はないので、そのあたりを心配している。あとはけが人。総力戦なので、心身ともにできるだけリフレッシュして臨んでほしい」とエールを送った。
(『ABEMA Morning』より)