【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループA】オランダ2-0カタール(日本時間11月30日/アルバイト スタジアム)

 カタール国民の戦意を奪い去る大きな一撃だった。今大会2試合連続得点中だったコーディ・ガクポが、見事なフィニッシュワークから先制弾。それを見た開催国の監督は呆然とし、選手は首をもたげ、肩を落とし、サポーターは、涙目になりながら顔を覆った。

【映像】ガクポの強烈フィニッシュに顔を覆って悲しむカタール代表のサポーター

 序盤からオランダがペースを掴む中で迎えた26分にそのゴールは生まれた。左サイドから攻め込んだオランダは、ガクポに預けると、メンフィス・デパイが左に流れることで相手DFを引き連れ、空いた中央のスペースを陥れた。左からカットインしたガクポは右足を振り抜き、GKの手が届かない右隅のコースへとシュートを流し込んだ。

 オランダの先制弾は、カタールにとってあまりにも痛い1点だった。今大会の開催国でありながら、史上初の初戦で敗北を喫したチームは、この試合に敗れれば、史上初の開催国3連敗という不名誉な記録を作ってしまうことになる。それだけは避けたい──。だが、そのモチベーションを、ガクポが打ち砕いた。

 ゴールが決まった瞬間、フェリックス・サンチェス監督は腕を組んだまま口を固く結び、スタンドの観客は目頭を押さえながら、顔を覆う。歓喜に沸くオランダスタンドを背景に、ピッチのカタールの選手はみな肩を落とし、この失点のダメージを感じていたようだ。

 ABEMAの視聴者は「カタール涙目」「カタールの人帰り始めてる」「泣かないで」「無慈悲なゴール」と、カタール人の心境を憐れむようなコメントを綴った。

 今大会もアジア勢が存在感を放ち、勝ち点を挙げる中、中東の国として初めてワールドカップの開催地となったカタールは、ピッチ上で存在感を見せることができず。試合中、早々に試合を諦めて帰宅する人も続出するなど厳しい現在地を知ることになってしまった。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)