広い視野と豊富なアイデアが武器だ
日本がFIFAワールドカップ・カタール大会で決勝トーナメントに進出するには次のスペインに勝つ必要がある。
スペインが最も強かったのは2008年から2012年までの間であり、EUROを2回、W杯を1回制している。まさに無敵であり、敵う相手はいなかった。
そこから少し時間が経って2014年のブラジル大会ではグループステージ敗退を経験したが、ルイス・エンリケが監督に就任し、強さを取り戻しつつある。エンリケはスペインにポゼッション以外の守備強度やカウンターを取り入れ、現代型にアップデートしていった。近年は代表のクラブ化という言葉を聞くようになったが、スペインがまさにそうだ。
日本はそんなスペインに打ち勝つ必要がある。初戦では日本が1ゴールも奪えなかったコスタリカから7ゴール奪っており、得点力の高さを見せつけた。
西『AS』では日本代表でスペイン2部のレガネスでプレイする柴崎岳にインタビューを行っている。W杯、日本代表、久保建英や冨安健洋といった有望株について聞かれており、3戦目で戦うスペインの印象についても語っている。
「もちろんそうなると思う。スペインは戦術が優れていて、テクニックも抜群。しかもガビやブスケッツ、ペドリと普段同じクラブでプレイしている選手もいる。ベンチにいる選手も豪華で、コケ、ソレール、ジョレンテ……スペインにはよほどうまく戦わないと勝てない」
「勝つにはアグレッシブにプレイすることが大事。中盤のラインを抜けたら強気に攻める。面白い戦いになると思う」
「スペイン戦は中盤がカギになる?」といった質問に対し、柴崎はアグレッシブに攻めることが重要だと話している。ドイツ戦の後半はこのアグレッシブさで相手を圧倒しており、後半だけで2ゴールを奪った。静かだった前半とのギャップがあったのかもしれないが、日本の勢いがドイツを上回った。
それこそ柴崎はスペイン戦でキーマンになるだろう。広い視野と豊富なアイデアは柴崎の武器であり、前線の三笘薫や伊東純也、久保建英といったアタッカーに良質なパスを供給することができる。ここまで出番はなく、スペインを日頃から知る柴崎が先発になることも考えられる。
中盤の要である遠藤航は2日連続で別メニューとなっており、スペイン戦の先発回避が濃厚だ。そうなると守田英正、田中碧、柴崎の3人の中からボランチを選ぶことになる。柴崎はここまで出番がなく、疲労も少ない。森保一監督の決断に注目だ。