日本代表のGK権田修一(清水エスパルス)が、12月1日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・グループE最終節スペイン代表戦を振り返った。

 今大会で“ベスト8”以上を目指す日本代表は、W杯優勝経験国がひしめくグループEで2度の“ジャイアントキリング”を起こした。下馬評を覆し、スペイン代表とドイツ代表を抑えて首位突破を決めたことについて、権田は「うれしい気持ちは半分。僕らが目指しているところの挑戦権をやっと得ただけです。ここからが本当の勝負」と決意。さらに「これで突破しても、次のクロアチア戦で負けたらまた(サッカー熱が)元に戻ってしまうのが日本。それを避けるためにも、勝ち続けるしかない。2大会連続でベスト16進出という初の出来事は成し遂げたけど、ここでもう一つ勝てるか、またベスト16で負けるのかはえらい違いです」と日本サッカー界が揺籃期を迎えていることを語った。

 スペイン戦では前半に先制点を許したものの、後半に立て続けに2点を奪い、逆転勝利した日本代表。試合終盤には、スペイン代表が意地を見せ、ピンチに陥る場面もあった。それでも“主将”DF吉田麻也を中心に、最後まで守り切ったことについて、権田は「(後半43分の)アセンシオのシュートはオリンピックで見てましたし、その前も(三笘)薫がしっかりブロックしたシュートもありました。攻撃に特徴のある薫が、アセンシオのところにガッツリ行って、あれだけ守備で頑張ってくれたことがチームの勝因でもあると思います。ああいった局面で緩くなると、何本も打たれていたはずですし、そうなったら何が起こるかはわからなかったです」とチームの全体の守備意識の高さに言及した。

 続けて権田は「1回ぐらいは抜けてくるシュートがあることも自分は想定していました。オルモのシーンに関しても、終盤になってもスペースに飛び出してくるというイメージがありました。技術だけではなく、鋭さや相手の嫌なところをハードワークして突き続けることができるから、スペイン代表として試合に出てると思います」と明かした。

 また、日本代表の“守備の大黒柱”吉田麻也が担ったタスクの大きさにも触れた権田は「麻也は正直、今日は相当キツかったと思います。モラタと常に真ん中で1対1で、しかもすごく動く選手なので、対応するのは難しかったはず。過去の日本人センターバックであのミッションを遂行できる選手は絶対にいないと思うし、麻也だからできたこと」と強調しつつ、「僕がシュートを弾いた時に、しっかりカバーに入ってくれるのも麻也なんです。中学時代から彼を知っていますけど、こういう危機察知とか守備範囲とか(ロンドン)オリンピックのときもすごく助けられました。同い年ですけど34歳になっても成長し続けていますし、今日なんてモラタのところを当たり前のように潰しているので、僕からしたら『すげえな』という思いです」と賛辞を口にしている。