長年プレミアリーグの主審として活躍しながら、昨シーズン限りで主審を引退し、今シーズンからはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)専任の審判員となったマイク・ディーン氏が、日本代表の勝ち越しゴールの場面を解説した。12月1日、イギリス紙『メトロ』が伝えている。

 FIFAワールドカップカタール2022・グループE第3節が1日に行われ、日本代表はスペイン代表と対戦。12分にアルバロ・モラタに先制点を許したものの、48分に堂安律が同点弾を挙げると、51分には三笘薫の折り返しを田中碧が押し込んで勝ち越しに成功し、2-1で逆転勝利を収め、初の2大会連続となる決勝トーナメント進出を果たした。

 しかし、この試合の勝ち越しゴールとなった直前のプレーが物議を醸している。当初は三笘が折り返したところでボールがゴールラインを割っていたと判定されたものの、VARによる確認の結果、完全にはゴールラインを越えていなかったと結論付けられ、ゴールは認められていた。

 この判定には各国メディアも大注目を示し、元イングランド代表DFガリー・ネヴィル氏や元スコットランド代表MFグレアム・スーネス氏らは「これは非常に奇妙だ。なぜなら、大会前にそれらを決断した画像がスタジアム内に表示されるようになった。でも、それが表示されていない理由がわからない」と決定的な画像がない状況は不自然だと語っていた。

 それでも、今シーズンからVAR専任の審判員となったディーン氏は『beIN SPORTS』 で、「この角度の映像を見てください。これを見ると、ボールと白い線の間に緑の草を見ることはできない」とボールが完全にはラインを割っていなかったことを強調した。

「選手には29箇所ほどのデータポイントがあり、テクノロジーでは選手がボールを蹴った時、足がボールに触れた時などの反応を見ればそれを知ることができる。これにより、選手がいつボールに触れたか、外に出たのかがわかる」

「これの前に別のコーナーフラッグが見えるアングルの映像も見たが、それでもボールは外に出ていないように見えた。これは正しい判定だ。彼らは利益のためにその決定を下したのではなく、テクノロジーを使用して正しい判定を下したんだ」