次はクロアチアと対戦する

カタールで行われているFIFAワールドカップはここまで順調に日程が消化されており、日本代表はドイツ、スペインを破って決勝トーナメント進出を決めた。残念ながらコスタリカには敗れてしまったが、W杯優勝経験国の2チームを倒して勝ち点6を獲得している。

今大会の日本の特徴は戦術の変更がハマったことだ。アジア最終予選からここまで[4-5-1]、もしくは[4-3-3]を基本システムとしており、番狂わせを起こした3バックはほとんど使っていなかった。そのためドイツやスペインはこの急激な方向転換に対応できなかった。

3バックに変えて良かった点は攻守両面にある。まずは守備時に5バックになることでよほどのことがなければ崩されない。ドイツ戦は3バックにしてから失点しておらず、スペイン戦はアルバロ・モラタに許した1点のみだ。前線からプレッシングを仕掛ける攻撃的な守備でも利点がある。基本的にどのチームも3バック化してビルドアップを行うのだが、そこに3人のFWでプレスをすることで、行動に制限をかけることができる。スペイン戦の同点弾が分かりやすく、パスの受け手を潰したことでゴールが生まれた。

「今回の日本と以前までの日本の最大の違いはそのメンタリティにある。これまでの日本はW杯に来ても自分の居場所がないように感じ、格上に勝てるとは思っていなかった。しかしヨーロッパのクラブで日本の才能が目覚めたことで、その状況が変わり始めている。今回の26人のうち、19人が欧州を拠点にプレイしている。そのうち8人はドイツにいて、Jリーグの7人よりも多い。しかもその7人にはドイツとフランスで長くプレイした酒井宏樹と長友佑都が含まれている。毎週対戦する相手に対して必要以上に恐怖心を抱く必要はない」

英『The Athletic』は今回、日本が勝てた理由について独自の見解を述べている。確かに欧州でプレイする選手は増えており、それこそブンデスリーガを拠点とする選手は多い。遠藤航、鎌田大地と今の代表の中心選手もそうだ。今回初戦で戦ったドイツ代表はバイエルン・ミュンヘンの選手が多く、遠藤と伊藤洋輝がいるシュツットガルトは今季リーグ戦で2-2の打ち合いを演じている。

日本から欧州に選手が旅立つことで受けられる恩恵は技術面が大きいと考えられていたが、メンタリティの部分にも良い影響があったようだ。本田圭佑のような絶対的な柱の不在が嘆かれていたが、一人の選手に頼らなくてもそれぞれがチームを支える良いチームが出来ている。