日本代表FW前田大然(セルティック/スコットランド)が4日、メディア対応に応じた。

 1日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・グループE最終節のスペイン代表戦で、前田は初陣のドイツ代表戦以来となるスタメン出場。最前線の位置から持ち前のスピードを活かした寄せだけでなく、コースを限定した守備を見せると、後半の立ち上がりには自身のプレスからゴールが生まれる。48分、前田がGKウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)までプレスをかけると、鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)と三笘薫(ブライトン/イングランド)が連動。再び前田がGKまでプレスをかけると、慌てて繋いだボールを伊東純也(スタッド・ランス/フランス)が奪い、最後は堂安律(フライブルク/ドイツ)が左足で強烈なミドルシュートを叩き込んだ。前田はこのシーンを「1回行ったときに薫が来てくれたのが見えたので、2度追い、3度追いしたら後ろも来てくれるかなと思って行きました」と振り返る。得点シーン以外にも自身の持ち味を発揮した前田は、自身の“信念”も口にしている。

「もちろんFWなのでゴールを取りたいという気持ちは常にありますけど、自分がチームのためにやっていればいつかボールが来る。セルティックでも(アンジェ・ポステコグルー)監督がいつも言っているので。チームのためにやっていれば、こぼれ球も含めてチャンスが来ると。僕はそれを信じて走れば、いつかは来るのかなと思っています」

 前田は62分までの出場だったものの、FIFA(国際サッカー連盟)の公式サイトによると両チーム最多となる60回のスプリント数を記録。攻守に何度も奔走していたことが数字としても明らかになっていたが、「多いのか少ないのかもわからないので。でも、それでチームが助かるなら必要なことだと思います」と平然とした様子だ。「僕自身、そんなガス欠するような感じもないので、行けるところまで行っているつもりです」と明かした前田は、あくまでチームの戦術に沿ったプレーをする中で、スプリント数が目立っただけだと感じているようだ。

「僕だけでやっていても外されるので、チームがついてきてくれてるからこそハマっている。チームとして戦術をやっていて、チャレンジして成功しているから、こういう試合ができているんだと思います」

 5日に控えた決勝トーナメント1回戦で、日本代表はクロアチア代表と対戦する。日本代表としては未だ辿り着いたことのない準々決勝まであと1勝となっているが、前田自身は前回大会について「あまりちゃんと見た記憶がない」と明かす。しかし、今大会には前回大会を知る選手たちも複数名選出されていることから、「いつもベテランの人たちがワールドカップの経験を伝えてくれている」という。「自分自身もすごく気持ちが高ぶってきています」と現在の心境を明かすと、決勝トーナメント1回戦に向けた意気込みも語った。
 
「選手として思うことはそれぞれですけど、優勝したいとか、日本が行ったことのないところへ行きたいというのは、選手たちだけでなくサポーターも望んでいるところだと思うので。それは僕自身も見たいですし、他の人にも見せてあげたいという気持ちはあります」