3大会ゴールを守ってきた川島もまたリーダーの1人

森保ジャパンは今回が初めてのワールドカップ出場という選手も多く、フレッシュなチーム構成になっている。若手の勢いがベスト16入りに繋がったのは確かだが、こうした若いチームだからこそベテランの存在が重要になる。

目立つ存在では、DFの吉田麻也と長友佑都だ。吉田は最終ラインとチーム全体を統率する絶対的リーダーであり、4度目のFIFAワールドカップを戦う長友は大会の空気を知り尽くしている。記者会見で「ブラボー」を連呼してチームメイトを盛り立てたり、ポジティブな空気感を作るのが上手い。コスタリカに0-1で敗れた際も、長友の前向きな発言は印象的だった。

その2人に比べると目立つ機会は少ないかもしれないが、米『ESPN』は39歳のGK川島永嗣の存在にも言及している。現在の守護神は権田修一だが、川島は2010年大会から3大会続けて日本のゴールを守ってきた。経験値は圧倒的で、ベンチに川島が控えている意味は大きい。吉田や長友が熱くチームを引っ張る存在とするならば、川島は冷静にチームをまとめているといった印象か。

「7か国語を流暢に操る川島は若い頃から大人びていて、地に足のついた雰囲気を醸し出していた。静かでありながら確固たるリーダーシップを発揮しており、その経験から常にドレッシングルームを落ち着かせ、若いメンバーをサポートする柱となっている。同じポジションを争っているとはいえ、シュミット・ダニエル、権田、川島の間に敵対関係はない。3人は日本の勝利を一緒に熱狂的に祝っていた」

同メディアはこう称えており、権田にとっても心強い先輩になっていることだろう。森保ジャパンで守護神の座を争ってきた権田とシュミット・ダニエル、同じくライバルでありながら常に先輩としてGK組をまとめてきた川島。この3人のチョイスも正解だったと言えそうだ。