サッカー日本代表は現地5日、カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表に敗れた。1-1のまま突入した延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗退となってしまった。

 またもベスト8には届かず、日本代表はベスト16で大会を去ることとなる。クロアチア代表戦で先制ゴールを奪ったFW前田大然は「これが日本の実力だと思うので、またイチからやり直さないといけないなと思います」とうなだれた。

 先制したのは日本代表だった。前半終了間際の43分、右コーナーキックの流れからゴール前で前田が押し込みゴールネットを揺らす。背番号25の快足FWにとってワールドカップ初ゴールとなったが「勝たないと意味がない」と表情は暗かった。

 今大会で初めて日本代表が先制して迎えた後半の55分、クロアチア代表は1本のロングクロスから同点弾を挙げた。DFデヤン・ロヴレンがゴール前に完璧なボールを送り、MFイヴァン・ペリシッチがヘディングシュート。相手の意表を突いてワンチャンスを決めきった。

「クロス1本。本当にあれだけで失点したので、そこを反省というか、直さないといけないと思います」

 そう語る前田は守備時のプレスでも存在感を発揮していたが、失点場面ではロヴレンのプレーを阻止することができず。「大きい大会になってくると、相手がああいう1本で決めてくる」とワールドカップの怖さを思い知った。

 グループステージ初戦のドイツ代表戦と第3戦のスペイン代表戦、そして今回のクロアチア代表戦と3試合に先発起用された前田は戦術上のキーマンの1人だった。特に前線からのディフェンスのスイッチ役として重要な役割を果たした。

 しかし、最後は「1点、2点取れれば勝てた試合だったと思うので、そういうところもしっかり詰めていかないといけない」とストライカーとしての力不足を痛感することに。「まずは自分に足りないところをしっかり見つめ直して、4年後またこの舞台に立てるようにしたい」とリベンジを誓った。

「ここまで(戦えたのは)引っ張ってくれた先輩たちがいからこそ。若くはないですけど、下の世代がもっと引っ張っていけるようにしたいなと思います。今大会は先輩たちが背中で教えてくれたんで、それを無駄にしてはいけない。しっかり感謝して、次は自分たちがそういう姿を見せられればいいかなと思います」

 初めてのワールドカップを終え「僕1人の力ではこの舞台に立てなかった。周りの支えがあってのことので、そういった人たちに恩返しする大会だった」と周囲への感謝も述べた前田。今大会の分も含め、4年後に全ての恩を返してカタールでの後悔を清算したいところだ。

(取材・文:舩木渉)

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