現地時間12月5日、カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦で、日本代表はクロアチア代表と対戦。1-1のまま突入した延長戦でも決着がつかず、PK戦(1-3)の末に敗れた。
この試合が終わった後、国際サッカー連盟(FIFA)の公式YouTubeチャンネルやSNSで、『The Culture Club』と題された動画が公開された。世界大会を通じて各国文化を紹介するシリーズのvol.1として先陣を切ったのが、日本だった。
動画に登場するダニエル・カーン記者は、コスタリカ戦を日本のサポーターとともに応援し、ドーハにある日本食料理のレストランを訪れ、和の文化に触れた感想を率直に語っている。
「日本代表チームはワールドカップのベスト16に至るまで、フランス大会以降から着実に経験を積み上げてきた。だが、その壁を打ち破ることはまだできていない。しかし、彼らを応援するサポーターは真のヒーローだ。常に情熱的で、難しい状況にあったとしても、選手をサポートするために声援を惜しまない。その情熱、リスペクト、礼儀正しさ、清潔への意識など、本当にユニークな存在だと感じた」
【動画】外国人記者が日本のサポーターとともに応援し、和の文化に触れた感想を率直に語る
そして、特に日本の応援スタイルが非常にユニークであると指摘している。
「日本のファンは、プレーが良い時も悪い時も声を上げ続け、応援のテンションを下げることはなかった。そこにあるのは単純なリスペクトというよりも、彼らの人間性にあると感じた。それが顕著に表われているのが、スタジアム後の清掃だと思う。
最初に“ブルーバッグ”を見た時、彼らはそれがクールだから持ち歩いているのだと思った。しかし彼らはそれをゴミ拾いに活用した。それを目撃した時の驚きは、今も鮮明だ」
その背景について、カーン記者に質問されたFIFA+のアンバサダーを務める日本のYouTuberコハロンさんとハンナ・ジェバンスさんは「日本は教育の過程で日々15~30分、感謝の気持ちで教室やトイレの掃除をし、次の日に備える」「日本人は立つ鳥跡を濁さずというか、使ったものを使う前よりきれいにして返すというのが伝統的に意識として持っている人が多い。それが今回のワールドカップにも表われたのだと思う」と回答している。
こうした体験を通じ、カーン記者は「話してみて、一緒に過ごしてみて分かったこと」として、次のように続ける。
「彼らには独自の文化があり、西洋や中東のそれとも全く違う人間性を備えている。すべてが違う。だが、彼らと一緒にいることで、異文化同士は理解し合えることも見せてくれたと感じた。それは、どんな試合よりも、なによりも、美しいことだ」
構成●サッカーダイジェストWeb編集部