[カタール・ワールドカップ ラウンド16]日本1(1PK3)1 クロアチア/12月5日/アル・ジャヌーブ・スタジアム

 カタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で、クロアチア代表にPK戦の末に敗れた日本代表。史上初のベスト8にあと一歩届かなかった森保ジャパンについて、韓国メディアはどう伝えたのだろうか。

「史上初の8強狙った日本、PK戦に泣いた…接戦の末クロアチアに敗れる」(日刊紙『東亜日報』)
「日本、あまりに高すぎる8強の壁…クロアチアにPK戦敗北」(ニュースメディア『オーマイニュース』)
「日本、クロアチアにPK戦で涙…カタール・ワールドカップ突風の終わり」(総合メディア『イーデイリー』)
「日本、12年前の悪夢再現…またPK戦で8強失敗」(通信社『NEWSIS』)
「“ジャイアントキラー”日本、史上初のW杯8強失敗…クロアチアにPK戦で敗北」(スポーツ紙『スポーツ朝鮮』)
 
 ほかにも、「南アフリカのPK戦の悪夢が再び」と見出しを打ったスポーツ紙『スポーツソウル』は、「日本は12年前の2010年南アフリカ大会で、国外開催のW杯では史上初のベスト16入りに成功したが、パラグアイと準々決勝進出を懸けて戦った末、PK戦で敗れたことがある。今回のクロアチア戦でPK戦の悪夢を乗り越え、ベスト8入りを狙ったが失敗した。“死の組”で生き残り、歴代最高成績を記録した日本としては悔しい決勝トーナメント敗退だった」と報道した。

 ネットメディア『エックス・スポーツニュース』も「外信は日本が16強戦でクロアチアにわずかに優位を占めていると予想したが、結果は違った。PK戦で足を引っ張られ、またしても8強入りに失敗した。16強のジンクスが日本サッカーに生まれている」と、日本の2度目のPK戦負けに言及している。

 それでも、通信社『聯合ニュース』は「日本、通算4度の16強戦すべて失敗…叶わなかった8強の夢」と題した記事で、今大会の日本の戦いぶりを次のように総括した。

「日本は今大会でドイツ、スペインを破り、26人のエントリー中19人を欧州でプレーする選手で構成するなど、しっかりとした戦力を構築した。特にドイツ、スペイン相手に低い支配率でも勝利を収める、いわゆる“漫画サッカー”でファンの好評を得た。また、ドイツ、スペイン戦で決めた4得点中3得点が交代選手によるゴールという森保監督の用兵術も輝いた」
 
 日本対クロアチアの直後には韓国代表対ブラジル代表が行なわれたが、結果はブラジルが4-1で大勝。韓国は前半だけで4失点を喫し、後半に辛うじて1点を返すも万事休すだった。国内では「ブラジルの壁は高かった」(経済紙『韓国経済』)、「韓国サッカー、世界最強ブラジルに1-4完敗」(地方紙『江原日報』)などと報じられた。

 ただ、「これまでW杯でアジア勢が脇役に近かったことは否めない。16強で崩すことの難しい世界の壁を実感したように、いまだに強豪と戦力差があるのは事実だ。しかし、希望を育み、明るい未来が見えた。少しずつ格差は縮まっており、今後さらに変わる可能性はある」と伝えた総合メディア『news1』のように、アジア勢が今大会で見せた健闘を称えるメディアは韓国にも多い。
 
 スポーツ紙『スポーツ京郷』も、「韓国、日本、オーストラリアの3か国は、アジアが“サッカーの弱者”という認識を破り、最後まで優勝候補の国に対抗した。単なる闘志ではなく、欧州・南米の強豪に劣らないパフォーマンスで団結していた」と希望を伝えていた。

 日本、韓国ともにベスト8進出の夢は次の2026年大会に持ち越された。アメリカ、カナダ、メキシコの3か国共催となるW杯でもアジア勢が躍進を果たせるのか、4年後に向けた新たな戦いに注目したい。

構成●ピッチコミュニケーションズ

【W杯PHOTO】日本 1(1PK3)1 クロアチア|またしても初のW杯ベスト8進出には届かず...PK戦にもつれる激闘の末敗退