PK戦の末に敗れたカタール・ワールドカップのラウンド16、クロアチア戦から一夜明けた12月6日の囲み取材で、試合後のミックスゾーンでは何も語らなかった南野拓実が想いを明かした。

 悲願のベスト8進出を懸けたクロアチアとのPK戦。先攻だった日本の一人目のキッカーとして登場した南野のシュートはGKに阻まれた。その後、三笘薫、吉田麻也もセーブされ、日本はまたもラウンド16で涙を飲むことになった。

「自信ははあったし、一人目が決めるかどうかで、そのあとの流れを左右するということは分かっていました。だからこそ自身があって蹴ったつもりでしたが、次につなげられず……やっぱり悔しいですね」

 PK戦のキッカーは挙手制。そこで途中出場選手として誰よりも早く手を挙げたのが南野だった。

「選手の立候補制で決めるとなった時に、自分は自信があったので1番か5番を蹴りたかった。多分、5秒くらい誰も手を挙げなかったんですね。『じゃあ、俺が』と。でも結局チームに迷惑をかけてしまったので……PK戦は流れで、相手のキーパーを乗せてしまったので悔しいですね」
 
「間違いなく今までの自分のなかで最悪の日」と振り返った南野は「悔しいのと自分への怒りと励ましてくれたチームメイトへの申し訳なさと、前を向くことができませんでした」と、試合終了直後にはその場に崩れた。

 それでも一夜明けて「個人的には4年後のワールドカップで絶対にリベンジしたいですし、絶対にレベルアップしてこの場に帰ってきたいです」と力強く語った。

 現在27歳の南野がこれからどう進化していくのか楽しみだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

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