世界も認める日本の若き実力者たち

開幕前の予想に反し、アジア勢はFIFAワールドカップ・カタール大会で決勝トーナメントに3チームも送り込むことに成功した。オーストラリア、日本、韓国と全チームがベスト16で敗れてしまったものの、今大会はアジア勢にとって非常に充実したものになった。

あとはこの良い流れを4年後へ続けられるかどうかだ。2026年大会は出場チームが32から48に増え、アジア枠も現行の4.5枠から8.5枠に増える。他のチームにもチャンスが出てくることになり、アジア勢としては4年後も世界を驚かせたい。

その中でも米『ESPN』が2026年のアジア最強チームとの評価を与えたのが、日本だ。同メディアはカタール大会に出場したアジア勢をABCで評価しているが、日本だけが最高のA評価を受けている。

理由は、堂安律や三笘薫など東京五輪を経験した世代が4年後も主力として計算できることが大きい。年齢的にDF吉田麻也、長友佑都、GK川島永嗣といったベテランとは別れることになるかもしれないが、今大会の日本はFIFAワールドカップ初出場となる若手が多かった。鎌田も4年後は30歳で、さらに良い状態で大会を迎えることに期待したい。

他にもDF冨安健洋、板倉滉、MF久保建英、さらに下の世代ではDFチェイス・アンリやMF藤田譲瑠チマ、松木玖生、オーストリアのLASKリンツで結果を残すFW中村敬斗、レアル・マドリード・カスティーリャのMF中井卓大、バイエルンと契約を結んだMF福井太智など、さらなる可能性を感じさせる世代の成長も期待できる。日本が最高の状態を迎えるのはここからだ。

それに続くB+の評価を得たのは韓国だ。エースのソン・フンミンの状態は気になるが、4年後はマジョルカ所属のイ・ガンインがより中心的な存在になると予想される。今大会でブレイクした大型FWチョ・ギュソン(24)にも海外移籍の噂があり、ポルトガル戦で劇的ゴールを決めたFWファン・ヒチャンも26歳と中堅世代だ。守備もナポリのキム・ミンジェが健在と予想される。

オーストラリアはDFハリー・ソウター(24)、キー・ロールズ(24)といった選手に加え、ベスト16のアルゼンチン戦であわや同点弾かと思うシュートを放った18歳のFWガラン・クオルなど楽しみな選手がいる。彼らは4年後も主力となるはずで、特にニューカッスルへの移籍が内定しているクオルは面白いポテンシャルを備えている。上手くいけば4年後にはアジアトップクラスのアタッカーになっているかもしれない。

一方で黄金世代で決勝トーナメント進出を果たせなかったイランは厳しくなるかもしれない。FWメフディ・タレミやサルダル・アズムンらが30代に突入することになり、新しい世代の登場が不可欠。同メディアの期待度もB評価だ。

今回のアジア勢快進撃が偶然ではなかったことを証明する2026年大会としてほしいが、アジアサッカー界はこの4年でもっと成長できるだろうか。中でも最大の期待は日本代表にあり、4年後こそはベスト8、さらに上の景色を見てみたい。